コンテスト

筋力を大きく飛躍させるための三大部位トレーニング

私たちの体にはさまざまな筋肉がある。しかし、出力レベルの大きさから言えば、一目置かれるのは胸、背中、そして脚だろう。この3 つの部位からの出力は他の部位とは比較にならないほど強いのだ。そうであるなら、この3つの部位を効率よく徹底的に鍛え上げたら、全身の筋肉から出力される筋力は一瞬にして大きな飛躍を遂げることができるに違いない。

文:Adam Clark, CPT
翻訳:ゴンズプロダクション

どの国にいても、月曜日にジムに行くと胸のワークアウトを行う人たちが多い。暗黙の了解で、まるで「月曜日は胸の日」と決まっているのではないかと思ってしまうほどだ。週の最初は胸の日と決めている人が多いなら、今回の話も胸についての解説から始めてみたい。

大胸筋

シェイプアップ、減量、筋力向上、筋量増加などの目的にかかわらず、胸筋を発達させることは重要だ。それを理解しているからこそ多くのトレーニーが胸のワークアウトを行っているわけだが、問題なのは現在のトレーニング法が胸筋の発達に効果をもたらしているかどうかだ。

米軍では兵士の身体能力を調べるためにプッシュアップを行わせている。NFLなどでは、選手たちがプッシュアップに加えてベンチプレスを行う。もちろん、ほとんどのトレーニーはNFLや米軍に入る目的でトレーニングをしているわけではないだろうが、プッシュアップもベンチプレスも胸筋を刺激する種目であり、そうして養われた胸筋の力は日々の生活の中でも活かされている。

どんな目的を持っているトレーニーであってもベンチプレス、プッシュアップ、そしてケーブルを使ったフライ種目は欠かせないものであるということを覚えておこう。

背中

胸は体の正面にある筋肉なので、胸筋が強くなればその後ろ側にある背筋も十分に鍛えておく必要がある。私たちの体の筋肉は表裏のバランスが取れていなければならないのだ。背中の筋肉を鍛えると同時に、体全体の筋力強化を図るにはデッドリフトが一番だ。その主な理由は以下のとおりである。

●デッドリフトは多関節種目であり、ひとつの動作で多数の筋肉を同時に刺激することができる。
●デッドリフトの動作は、私たちの体に備わっている基本的な動作のひとつであり、体にとって自然な動きである。例えば床に置いたものを拾い上げたり、持ち上げたりする動作は、まさにデッドリフトの動作そのものだと言える。
●デッドリフトを行うことで全身の筋力が向上する。
●デッドリフトの動作は足首、膝、股関節を使うため、これらの関節を動かす筋肉を連動させ、全身の筋肉の神経系を刺激する。

いずれの要素も体を機能的に動かし、その能力を高める上でとても重要なことなのに、なぜトレーニーたちはデッドリフトを敬遠するのだろうか。その理由は、確かにデッドリフトは体にとって自然な動きかもしれないが、実力以上の重量を扱おうとするために不自然な動きで行われてしまうことが多いからだ。それによってケガをしてしまうのは当然の結果かもしれない。

デッドリフトで下背部を痛めた経験がある人は少なくないはずだ。多くのトレーニーが無理な高重量に挑戦した結果、ケガを負ってしまうのだ。この問題の解決策は、無理をしなければいい、それだけの話だ。無理のない負荷で、体にとって自然な動作、すなわち正しいフォームで行えば自ずと筋力は向上し、以前は無理だった重量を使ってデッドリフトを行うことができるようになる。特に股関節周辺の筋肉を正しく刺激して、着実に筋力を向上させていけば、私たちがこの種目から得られる恩恵は極めて大きいのである。

下半身

基礎的な力を養うにはベンチプレス、デッドリフト、そしてスクワットを行うのが一番効果的だと信じている人は多く、その考えは正しいと言えるだろう。強くなりたい、筋肉を大きく発達させたいと願う人にとって、この3種目は基本であり、必須である。

ただ、その3種目だけが目的を叶える唯一の組み合わせというわけではない。例えば、片側ずつを集中して刺激するやり方もまた、全体の筋力や筋量を増加させるのに役立つのである。

例えば下半身で片側ずつを刺激する種目を挙げるとすれば、真っ先に思いつくのがランジだ。ランジのメリットは、高重量を扱わなくても胴部の安定性を高め、下半身の力を向上させ、下半身全体の筋肉の深部にまで強い刺激を左右交互に行き渡らせることができる点にある。実際にランジを一定期間やり込んでからスクワットを試してみると、以前よりも高重量を挙上することができるようになっていることに気づくはずだ。

ランジは脚を片側ずつ集中的に刺激する種目だ。片側ずつを刺激するので、姿勢を保つために胴部の緊張が要求されるので姿勢の安定性が向上する。いわゆるスタビリティ能力が高まるのだ。また、片側だけに意識を集中させることができるので筋肉に効かせやすく、効率よく筋発達につなげることができる。

片側ずつ刺激するような種目は、日常的な動作にも変換させやすい。床に落ちたものを拾うとき、私たちは片手で拾ったり、片脚を持ち上げて拾ったりすることが多いのだが、日頃のトレーニングでランジを行っておくと、そういう動作での不用意なケガを防ぐことができる。ランジはトレーニング歴にかかわらず誰にとっても効果的な種目だ。下半身のワークアウト内容を充実させるためにも、ぜひランジを組み込み、基礎的な力を養いながら着実にレベルアップしていこう。

 

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佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手