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ボディビル世界王者が解説「大切なのは種目の順番!大腿四頭筋」

プレワークアウトの必要性

私はしゃがむ際、体型的に骨盤から大転子、大腿骨が少し外旋気味になります。ようはO脚に近いので、少しガニ股の状態にしたほうがしゃがみやすいです。

O脚の人の特徴としては「大腿直筋の力があまり働かない」「中殿筋、大腿筋膜張筋、内側広筋などが強い」といったことが挙げられます。膝を開いた状態でしゃがむと、体の外側の筋肉が使われます。すると負荷は大腿筋膜張筋や臀部、中殿筋などにかかってきます。大転子をまっすぐにした状態ではしゃがめないので、逆に大腿直筋の発達は遅れ気味になってしまいます。

私の場合は恥骨筋、内転筋など股関節の内側についている筋肉が弱いため、動作の際は中殿筋などに引っ張られてしまう傾向にあります。そのバランスを是正するために、大腿四頭筋のトレーニングのプレワークアウトとしてインナーサイを行っています。

そのあとにアウターサイを行いますが、このエクササイズは固くなった中殿筋を動かしやすくするために取り入れています。中殿筋は上半身と下半身をリンクさせる役割を担っています。股関節を動かすための重要な柱となる筋肉なので、アウターサイでそこを動かしておくことにより、自由度の高いトレーニングができるようにします。

また、私は梨状筋が固いので、左の股関節があまり言うことを聞いてくれません。梨状筋のなかにはたくさんの神経が通っていて、そこが拘縮すると神経が圧迫されます。

そのため左の薬指で踏み込むことができず、股関節が動かしづらくなっています。また、神経が圧迫されているせいで左のお尻を動かしている感覚もつかめません。

その梨状筋からの神経の通り道にあるのがヒラメ筋です。スクワット系の種目を行うときに、もっともしゃがんだときに足首も曲がります。そのときはヒラメ筋が最大限に使われます。

ヒラメ筋が硬いと底屈した状態になって、その状態でスクワット動作を行うと内側広筋、外側広筋に刺激が行きがちになります。ヒラメ筋を最大限に動かせるように、プレワークアウトではシングルレッグのシーテッドカーフレイズを行っています。

では、次週より具体的な方法を解説していきます。

鈴木 雅
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。


 


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