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トレーニングは「ぶっ飛び」が大事だと、ボディビルのスーパー高校生が日本王者に学んだ大切なこと

――相澤選手から見て、坂本選手のステージでの印象は?
相澤 すごいという印象です。私が高校3年生のときとは比べものにならないと思います。レベルは高いし……、私が高校3年生で今の坂本選手と同じステージにいたら勝てないですね。
――坂本選手の強いポイントとは。
相澤 全部ですね。弱いと思うところがありません。全ての筋肉がバランス良く、まんべんなく発達している“バランス型”に感じます。これは、私自身がバランス型であるためです。そういう自分から見た坂本選手も同じなんだと思いました。そのままデカくなれば、トップレベルで闘える選手になると感じます。
――ここは改善していけるという部位は?
相澤 それが、坂本選手が弱点部位だと思う上腕三頭筋なのではないかと。
坂本 逆に、全体のバランスが良すぎて目立たないということはないのでしょうか? 
相澤 私はカーフが弱いのですが、それでも弱く見えないと思うんです。上手くごまかせていると言ったら良いんでしょうか。
――それはポージングで?
相澤 ポージングもそうですが、例えば腕が細いのとカーフが細いので比べたら、圧倒的に腕が細い方がボディビルでは不利になります。私は別に腕は細くはないですし、カーフは細いですが膝より上はある程度のサイズがあります。そう考えたときに、「ここが弱点だったら勝つのは厳しい」という部位が無いので勝つことができたのではと考えられました。
――相澤選手から見て、坂本選手はどんな存在?
相澤 ポンポンと上がってくる選手だと思っています。
――坂本選手は、日本選手権で相澤選手と並びたいと考えているのでしょうか。
坂本 今年の日本選手権の切符は手に入れたので、出るつもりでいます。また、今年は19歳でどこを制するかで位置付けが決まってくるかと考えています。東京クラス別選手権と東京選手権出場を目標にしていて、どっちを獲れるかで今後のステップが決まってくるはずです。相澤選手が19歳で東京選手権優勝をした年に、榎本星矢選手が東京クラス別選手権で優勝しました。それがあって、僕がどっちを制することができるか、またはできないのかで僕の今のポテンシャルが把握できるのではないかと。
――東京の2つのタイトルを獲ると?
坂本 どっちも獲りたいなと。でも、正直きついかなとも思っています。
――自信が弱いと感じられますが……。
坂本 せめて、東京クラス別選手権は獲りたいです。“ミスター東京”のタイトルはまだまだかなと。
――東京選手権でファイナリストに入れる自信は?
坂本 今の僕のカーフが命運を握っていると思います。カーフが発達しづらくて、上腕三頭筋とともに弱点部位でもあります。ここを、いわゆる「ストロングポイント」と東京選手権までに言えるようになれば、トップ10に入れるのではと思っています。
――そこに入れると思うことは、そこに入りたいということでもある?
坂本 そういうことです。今年は入れたら、来年はもっと上に行けるということです。
――階級は?
坂本 75㎏超級で出場予定です。
――ということは、日本クラス別選手権となると80㎏以下級になると。
坂本 おそらく、そうなるかと思います。昨年のマッスルゲート愛知が74㎏で仕上がったのですが、そこから筋肉量は増えているかと思います。また、僕は極限まで絞ってステージ映えするタイプではないので、筋肉量を残したうえで出たいと思っています。それらを踏まえると80㎏以下級ではないかと考えます。
そして、その身体で日本選手権に臨めたらと。
相澤 昨年はなぜ日本選手権に出なかったんですか? ステージ裏にいたので、てっきり出るかと……。
坂本 僕も出れるかと思っていたのですが、日本選手権にはエントリーしていなかったんです。高校生選手権で優勝したら、そのまま自動的に出られると思っていました……(笑)。
相澤 控室で「出ますよ!」と言われたので期待していたら、いつの間にか服を着てとことこ帰っていったので、「あれ!?」という感じでした(笑)。

坂本選手は終始、相澤選手の話に真剣に耳を傾け多くのことに頷いた。まだ18歳という若さで、相澤選手からも「同じ年齢で同じステージにいたら勝てない」と声が上がるほどの逸材であり、今後の国内外のボディビルシーンを相澤選手や吉岡賢輝選手らとともに盛り上げることは間違いない。そして、今回学んだことを一度で覚えるほどの力を持つ、坂本選手に期待しようではないか。


あいざわ・はやと
1999年10月21日生まれ(22歳)、神奈川県出身。身長164㎝体重75kg(オン)85kg(オフ)。
日本体育大学在学中でありながら、日本で10人目となるゴールドジムアドバンストレーナーとしてゴールドジムで勤務。
主な戦績:
2015~2017年全国高校生選手権優勝
2017年日本ジュニア選手権優勝、世界ジュニア選手権75kg以下級5位
2018年全日本学生選手権優勝
2019年東京選手権優勝、日本クラス別選手権70kg以下級4位、全日本学生選手権優勝、日本選手権9位
2021年日本クラス別選手権80kg以下級優勝、日本選手権優勝


さかもと・はると
2003年4月6日生まれ(18歳)、愛知県出身。身長169cm体重74㎏(オン)90㎏(オフ)。
現在高校3年生。今年の4月から、今やボディビルの名門・日本体育大学へ進学する。憧れの選手を相澤隼人選手としており、今回その相澤選手との特別セッションが実現した。
主な戦績:
2019年全国高校生選手権3位
2021年マッスルゲート愛知7カテゴリー優勝、全国高校生選手権優勝、日本ジュニア選手権3位

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