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食材を入れ替えるだけでダイエットを成功させよう

今回は、コンテストに向けた食事法ではなく、適度のコンディションを維持するためにトレーニングを続けている人のための食事法について解説したい。

文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション

間違った考えを正す

「今日のワークアウトは頑張ったから、好きなものを好きなだけ食べる!」と、ジャンクフードを頬張っている人を見かけるが、このような行動をする人は意外に多い。しかし、そのような考え方を改善しない限り、その人はどれだけワークアウトを続けても理想の体型や健康を得ることは難しいかもしれない。

そもそも、やり過ぎなワークアウトを行い、その結果、抑えきれないほどの空腹感に襲われれば、食べ過ぎることは目に見えている。消費されたカロリーと食べたカロリーが同等であればそれほど問題ではないのだが、多くの場合は摂取カロリーのほうがはるかに上回る。そんなことを繰り返していれば、どれだけハードなワークアウトを続けていても、脂肪層に覆われた筋肉はいつまでたっても身体の表面に現れてこないのだ。

食材を入れ替える

厳密なカロリー計算や三大栄養素の摂取量の管理をしろとは言わないが、せめて自分の食事を見直して、入れ替えができないかどうかを確認してみよう。つまり、フードスワップである。

入れ替えが推奨されている品目は少ないかもしれないが、いつも食べている食材のいくつかを入れ替えるだけで、摂取カロリーを減らせることができ、健康づくりにも役立つ。そして何よりも見た目の改善が期待できるはずだ。

この方法なら、今までどおり食事を楽しみながら結果が得られるようになるだろう。適切で正しい食材を選んで食べれば、私たちの身体は見違えるほど活力を取り戻し、身体づくりにも役立つのだ。

食材の買い出しの際は、必ずラベルを読む習慣をつけるようにしたい。食材はできるだけ未加工のものが良いのだが、どうしても加工品が必要な場合はせめてラベルを読んで、できるだけ添加物が含まれないものを選ぶようにする。そのためにも、ラベルに書かれていることを理解できるように日頃から知識をつけておこう。

今回は、おそらく多くの人たちが日々摂取している6種類の食材についての代替食材を提案してみたい。これら6品目を入れ替えるだけでも身体の内側から改善されていくのが実感できるはずだ。無理のない食事改善なので、ぜひ多くの人に試していただきたいと思う。

フードスワップを勧めたい6品目

砂糖を
ステビアに

砂糖は様々な加工食品に含まれている。飲料やソース類を始め、甘みを感じないような食品にも入っているので注意が必要だ。砂糖が含まれているかどうかはラベルを見れば分かる。まずは砂糖を警戒し、砂糖を含まない食品を選ぶようにしよう。

ただ、砂糖を完全に排除するのはなかなか大変なことだ。砂糖には常習性があるため、絶とうとしても挫折してしまうことが多い。どうしても甘みがほしいというときは、砂糖をステビアに切り替えてみよう。

甘味料のステビアはハーブで、人工的に作られたものではない。キク科の植物であるステビアから抽出されるもので、一般的な砂糖に比べて200~300倍も強い甘みがあるのが特徴だ。つまり、ほんのわずかな量でも十分に甘みが感じられる。コーヒーやオートミールなどに混ぜれば、砂糖が恋しくなるようなことは避けられるはずだ。

さらにうれしいことに、ステビアはゼロカロリーだ。そのため、ステビアに切り替えることで摂取カロリーも抑えられるのだ。

精製された穀物を
全粒穀物に

全粒穀物は最小限の加工に抑えられている。加工過程が多い食品の場合、食物繊維はその過程で取り除かれてしまうことが多いのだが、全粒穀物には食物の消化に必要な食物繊維が豊富に含まれている。そのため、便秘がちの人にとってもプラスになる食品なのだ。

全粒穀物の消化時間は、加工食品に比べて時間がかかるのが特徴で、それはつまり満腹感が持続するということでもある。空腹にならなければ余分に食べてしまうこともないので、この点も減量を促すことにつながるのだ。

また、全粒穀物は心臓の健康維持にも役立ち、心臓病を発症するリスクを軽減することが研究などで明らかになっている。また、タイプ2型糖尿病や特定のガンの予防にも役立つとされている。

健康的な食事を考えているなら、精製された穀物を全粒穀物に置き換えることを勧めたい。ちなみに、精製された穀物を具体的にどのような全粒穀物に代替できるかについては別表にまとめてあるので参考にしてほしい。

デンプンを
緑色野菜に

夕食時に肉や魚を食べる人は、パンやパスタ、ジャガイモ料理、米などを添えたりすることが多いはずだ。いずれもデンプンであり炭水化物だ。もちろん、適切な量の炭水化物なら問題ないのだが、やはり炭水化物はどうしても食べ過ぎてしまいがちだ。

そこで、デンプン質の炭水化物を緑色野菜に置き換えてみてはどうだろうか。緑色野菜にはビタミンやミネラル、そして食物繊維が豊富に含まれている。例えばホウレンソウ、緑豆、ブロッコリー、アスパラガス、オクラなどは調理も簡単で、短時間で食卓に並べることができる食材だ。

デンプン質の炭水化物をこれらの緑色野菜に置き換えれば、確実に食べ過ぎを予防し、ウエストも引き締まってくるはずだ。

植物油を
エキストラバージン・オリーブオイルに

調理の際に、どんな調味料や油を用いるかについても気を配ったほうがいいだろう。

確かに植物油は安価だが、毎日のように料理したものを食べるわけで、そのたびに身体に取り込まれることになる。そういった点を考えると、調味料や油はコストではなく品質で選んだほうがいいはずだ。

エキストラバージン・オリーブオイルは、加工過程が最小限にとどめられたオリーブ油だ。加工過程が少ないので、オリーブオイルに元来含まれている抗酸化物質や抗炎症物質が除去されずに残っている。そして、中でも重要なのは単一不飽和脂肪酸を含んでいる点だ。

単一不飽和脂肪酸には、血糖値を安定した状態に保つ働きがあるので満腹感が持続するのだ。さらには心臓の健康維持や消化を助けてくれるので、結果的に減量を促してくれることになる。

「腸活」という言葉をよく耳にするようになったが、実際、腸の健康は体調を左右するとても重要な要素である。腸内環境が乱れると代謝にも影響してくるので、減量を著しく妨げてしまうことになる。

そんな腸の健康を維持するという目的のためだけでも、一般的な植物油をエキストラバージン・オリーブオイルに置き換える価値は十分にある。日々用いる油だからこそ、質の高いもの使うようにしよう。

お菓子類を
代替品に

甘いものには目がないという人にとって減量期はまさに地獄だ。砂糖が身体に良くないことは分かっているが、甘いものを拒絶するのは難しい。一時的には我慢できても、耐えられなくなったときの反動が恐ろしいのだ。悪いことに、甘い菓子類には砂糖以外にも不健康な材料が多く使われている。例えば小麦や大量のバター、トランス脂肪を含むマーガリンなどだ。

甘いものへの執着はそれほど強くないという人でも、塩気のあるスナック菓子を好んで食べたりしている。それはそれで甘いものと同じくらいの悪影響があると考えていいだろう。例えば、ポテトチップスには加工された炭水化物が大量に含まれているし、塩分や不健康な脂質も多く使われているのだ。

歯触りが軽くてサクサク食べられるようなスナック菓子には炭水化物がたっぷり含まれていて、さらに悪いことに、食べてもすぐ空腹になってしまう。結局、袋を開けたが最後、一気に食べてしまい、少しの間はそれで満たされるのだが、すぐにまた空腹になって新しい袋を開けてしまうという悪循環に陥ってしまう。

甘い菓子類の代替は別表を参考にしてほしい。ポテトチップスやポテトフライなどの代わりに、アーモンドやピーカンナッツ、カシューナッツ、ミックスドナッツ、味の薄いポップコーン、軽く塩を振って炒ったひよこ豆、ビーフジャーキー、ターキージャーキー、チーズ、全粒穀物のクラッカーなどを食べるようにしてはどうだろうか。

赤身肉を
白身肉に

アメリカ人は赤身肉をよく食べるが、これを白身肉に切り替えることで減量がはかどる。ちなみに、赤身肉とは牛肉や豚肉などを指し、白身肉とは鶏の胸肉、ターキー、白身魚などを指す。

身体づくりには十分なタンパク質が必要だ。そのため肉料理は欠かせないわけだが、口に入る肉の大半を白身肉に変えると、身体は早く改善されるはずだ。というのも、白身肉に含まれる飽和脂肪の量は赤身肉よりも少ないからだ。

例えばボディビルダーの場合、コンテストの準備期に入るとたくさんの鶏肉を消費する。オフシーズン中は牛肉をよく食べたりするが、シーズンに入ると牛肉が鶏肉に置き換わる。具体的な数字で比較するとわかりやすいはずだ。
●鶏の胸肉100g:165?、タンパク質31g、脂質3.6g
●脂身の少ない牛挽き肉100g:176?、タンパク質20g、脂質10g

このように鶏肉のほうがタンパク質量は多くカロリーや脂質は少ない。同じ100gを食べるなら、減量期にはどちらの肉が適しているかは容易に判断ができるはずだ。シーズン中だけでなく、普段から赤身肉を白身肉に置き換えることで、常に健康を維持し、適度に絞れたコンディションを保つことができるはずだ。たまに赤身肉が食べたくなるという場合は、脂質の含有量が最小限に抑えられているものを選ぶようにしよう。

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