マッスルゲート選手 コンテスト

45歳・シングルマザーがビキニフィットネスで優勝 「子どもを肩車するお父さんたちを見て悔しかったが、今では子どもを肩車してスクワットします」

4月20日、安城市民会館で『マッスルゲート愛知春季大会』が開催された。ビキニフィットネスマスターズ&一般優勝という素晴らしい結果を収めたのは、八田恵理子(はった・えりこ/45)さんだ。

【写真】難病を乗り越え笑顔で立ったステージで優勝を掴んだ八田恵理子さん

「子どもを妊娠中に再生不良性貧血という難病を患い、長期入院を経験しました。体力も筋力もすっかり失われて、お風呂でお湯の入った洗面器を持ち上げることすら辛かったんです」と、当時を振り返る。

42歳のとき、パーソナルトレーニングとの出会いが八田さんの人生を大きく変えたそうだ。

「当時は『運動は好きな人や時間に余裕がある人がするもの』というイメージがあったんです。でも、初めて受けたパーソナルトレーニングで、全く知らなかったボディメイクの世界に触れました。それが私の新たなスタートになりました」

今回の大会に向けた減量では、2月から食事内容を細かく工夫していったという。

「タンパク質は主に鶏胸肉と鹿肉、炭水化物は玄米からスタートし、サツマイモ、最後はカボチャへと変えていきました。脂質は卵とピーナッツバターから摂取していました」

『我慢するのが苦手』と話す八田さんは、無理なく続けるための創意工夫を凝らしていた。

「お腹いっぱい食べたいので、シャトルシェフ(保温調理鍋)に常に野菜スープを作り置きしていました。茹でた鶏胸肉と合わせて、洋風、アジア風、中華風、インド風など、ハーブやスパイスで味変を楽しんでいました。冷蔵庫には常に無糖オイコス(ヨーグルト)があり、甘いプロテインとピーナッツバター、シナモン、ステビアを合わせたスイーツを毎日食べていました」

質素な食事を我慢するのではなく、”美味しく楽しみながら減量"を続けたのだ。トレーニングについても教えてくれた。

「1月はパーソナルトレーニングを週に1回、2月はお休みし、3月からは、自主トレがメインで週に1~2回、名古屋市のスポーツセンターで、約1時間の全身筋トレをしていました。膝を痛めていたので有酸素運動は行いませんでした」

さらに、受けた指導を必ず録画・メモし、理解が追いつかない内容も後から見返して着実に成長へつなげていったという。

八田さんは、ボディメイクについてこう語る。

「ボディメイクは『我慢』ではなく、『自分自身を大切にすること』だと思っています」

ボディメイクを始めてからの一番の変化は、子どもへの想いを体現できたことだった。

「私は、障害のある子どもを育てるシングルマザーです。父と母、両方の役割を果たさなければという強い思いがありました。難病を患ったときは、子どもを肩車するお父さんを見て悔しく、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。でも今では、子どもを肩車してスクワットが何十回でもできる身体になりました!」

ただ痩せるだけではなく、アンチエイジングを意識しながら、心身ともに健康を目指してきたのだ。

「削ってはいけない栄養素や過食の原因を分析し、何度もトライ&エラーを重ねてきました。そしてフィットネス大会に出場することが、私にとって運動や健康への大きなモチベーションになっています」

『子どものために、自分自身が健康でいること』

その強い思いが、進化を続ける八田恵理子さんを支えている。これからも、パワフルなお母さん、そしてフィットネス選手として、輝き続けるに違いない。

【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。

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取材:佐藤佑樹 撮影:上村倫代

執筆者:佐藤佑樹
主にFITNESS LOVEで執筆中。自身も大会へ出場するなどボディメイクに励んでいる。料理も好きで、いかに鶏胸肉を美味しく食べるかを研究中。

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