5月6日(火・祝)に保土ヶ谷公会堂で開催された『マッスルゲート横浜大会』で、ウーマンズレギンス50歳超級と163cm超級の2部門にエントリーしたのは有吉里美(ありよし・さとみさん/58)。両部門とも5位と結果こそ振るわなかったものの、その年齢からは想像できない美しさで観客の視線をさらった。
「マッスルゲートは四国に住んでいる筋トレ友だちに教えてもらいました。出場する大会は別々なんですが、遠方からお互いを応援しながら楽しんでいます。マッスルゲートのレギンスカテゴリーは初心者でも挑戦しやすく、タンニングやカラーリングの必要がないのも魅力ですね」
透き通った美肌の持ち主でもある有吉さんだが、一時は急激なダイエットで、肌荒れや皮膚の弛みも引き起こしてしまった。
「産後太りを経験し、今よりも20kg以上太っていました。子育てが落ち着いた50歳からダイエットを始めたのですが、間違った方法ばかりを繰り返し、体力もどんどん落ちてしまいました。駅の階段を登るだけで息切れ、歩いているだけでつまずきやすくなり、メンタルもボロボロでした。あのころの自分に今の自分を見せてあげたいですね(笑)」
有吉さんが実践した驚きのダイエット方法は、とにかく体重が増えそうなものを摂らない。体重計の数字ばかりを気にする毎日だったが故に、水もほとんど飲んでいなかったそう。
食べるものといえば、水分量の少ないエネルギーバーや、カロリーよりもとにかく手に取ったときの”軽さ”。 ダイエット方法こそ好ましくなかったものの、有吉さんは必死の努力で目標を達成し、理想だった体重も手に入れることができた。
しかし、憧れのゴールとは少しかけ離れていたことに気付き、運動と食事を見直すことに。
「子どもから“老けた”と言われたことがすごくショックでした。ようやく自分のダイエット方法が間違っていたと気づき、ジムに通い始めるきっかけになりました。食事もバランスよく3食食べるようにしたら、肌の調子も良くなり、弛みも改善されて、最近では子どもにも“きれいになった”と褒められるようになり、一緒に食卓を囲む時間も増えましたね」
服のサイズも合わず、より大きな服で自分を隠していた日々。そんな行動が、自分の自信をますます喪失させる負のスパイラルを生んでいた。
しかし、筋トレに出会い、そして『筋肉痛に魅了された』ことで有吉さんの人生は変わっていく。
「コンテストに出場されている選手はもちろんですが、ジムで運動されている方は若々しくエネルギッシュな方が多いと感じています。私自身も筋肉痛がくると、“ああ、今日も頑張れたな”って実感できて、それがうれしいんです。痛みさえ前向きに感じられるようになった今は毎日がすごく楽しいですね」
誰かと比べるのではなく、昨日の自分に勝つ。それこそが、いつまでも若々しくい続けられる一番の秘訣だと、有吉さんは自らの経験を通じて伝えてくれている。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
文:林健太 撮影:中島康介
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。マッスルゲートにも出場経験あり。