「念願の、親子でグランプリです! 夢は親子で日本一になること、そして孫との3世代でベストボディ・ジャパンに出ることです」
はじけるような笑顔でそう話してくれたのは、桐山まどか(きりやま・まどか/51)さん。6月29日、兵庫・神戸で開催された『ベストボディ・ジャパン2025』の「クイーンクラス(50〜59歳)」でグランプリに輝いた。
【写真】艶やかボディの桐山まどかさん 娘のひなのさんや孫とのスリーショットあり
ボディメイクの第一歩は、偏った食事内容を改善したこと
娘のひなのさんもベストボディ・ジャパンの選手。昨年の日本大会で堂々の3位になるほどの実力者だ。時には親子喧嘩をすることもあるが、互いに励まし高め合いながら、ボディメイクに励んでいる。
まどかさんがボディメイクを始めたのは40代半ば。雑誌のダイエットモニター企画に応募したことがきっかけだった。わずか2週間の取り組みだったが、食事内容の大切さを知って改善したことで身体が楽になったという。
「これまでは、お肉と生クリームばっかり食べるという、とても偏った食生活でした。そのため血液検査の数字も悪く、不整脈だったんです。モニター企画のつながりで、現在のトレーナーさんと出会い、食生活が大きく変わりました」
脂質を控え、たんぱく質を1日3回に分けて摂取。そしてお米をしっかり食べるようになった。ジムがない日は1回120g、ジムがある日は1回150gを目安に、1日4回に分けて食べる。食事内容が一新されたことで、体調や採血データが改善し、不整脈もなくなったという。
「正直パン派なんですが」とまどかさんは笑うが、パンは大会後のご褒美と決めている。ひなのさんと一緒に“食べ納め”をして、次の大会まで我慢する——そのサイクルがモチベーションの1つになっているそうだ。
娘と一緒に行うボディメイクがモチベーション
週に2〜3回、夜の9時に2人は通っているパーソナルジムで待ち合わせ。親子で筋トレメニューは異なるが、2人合わせて2時間弱のトレーニングに励む。
ボディメイクを続けられる理由は、ひなのさんの存在が大きい。今、親子で同じ目標に向かい、切磋琢磨し合える時間はかけがえのないものだと、まどかさんは言う。
「子どもたちが小さいころ、夫と死別しました。私は家族を養うために看護師の資格を取得し、ずっと夜勤をしてきました。小さかった娘と十分な時間を過ごせなかった過去がありますが、今はボディメイクを通して、それを取り戻しているような感じです」
また、二人を支えるトレーナーの存在も大きい。食事や運動だけでなく、時には親子喧嘩の仲裁まで担ってくれる“3人4脚”の支えに感謝しているそうだ。応援してくれる人たちも含め、「結果で喜ばせたい」という気持ちも、モチベーションの核になっている。
まどかさんがボディメイクで得たものは、単なる身体のラインだけではない。心身共に支えてくれる周りの存在や、親子の時間と絆など、目には見えないかけがえのない宝物を手に入れたのだ。
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取材・文:小笠拡子 大会写真:岡 暁 写真提供:桐山まどか
小笠拡子(おがさ・ひろこ)
ボディビルにハマり、毎年筋肉鑑賞への課金が止まらない地方在住のフリーランスライター。IRONMAN・月刊ボディビルディング・Woman’s SHAPEなどで執筆・編集活動を行う。筋肉は見る専門で、毎月コツコツ筋肉鑑賞貯金をしている。
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