8月10日(日)、大阪・門真市民文化会館(ルミエールホール)にて『第36回ジャパンオープン選手権大会』が開催された。ボディフィットネスカテゴリーで優勝を飾ったのは、丸い肩から細いウエストラインが美しい板谷成美(いたや・なるみ/37)選手だ。
「昨年の世界選手権が終わってから体調を崩していて、トレーニングすらままならない期間がありました。その期間から抜け出せたと思ったら、もう減量のシーズンが始まって。そんな折に大好きだった祖母が倒れてしまい、気持ちの面でも体調の面でもうまくいかなかったんです」
昨年は同じような時期に祖父を亡くし、今年は祖母が天国へと旅立った。一時は、ジャパンオープンに出られるかどうかといったほどの状況の中で、今回の優勝は「去年優勝を逃したから、今年ティアラを頂けたうれしさもありますが、これまでの1年を通して振り返ると安心の気持ちが大きいです」と板谷選手。
ここ数週間は目まぐるしい日々で、万全の状態ではなかったかもしれないが「順位にあまりこだわらず、自分のベストを尽くしたい」という気持ちでステージに臨んだそうだ。そうして得た結果が今回の優勝。亡き祖父母へ、早速金メダルと輝くティアラを見せて結果報告する、とにこやかに話してくれた。
板谷選手が大切にしているのは、大会までの道のりを楽しむこと。シーズン最後の大会まで過程を楽しみながら、ストレスを抱えることなくステージに立ちたいそうだ。身体の面で目指しているのは、下半身の丸みをつけること。
「自分のための時間として、大好きなトレーニングに励みたい」と、これからの目指す道を話してくれた。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:小笠拡子 撮影:中原義史