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49歳"美のカリスマ"が筋トレで劇的変化 ミセス・インターナショナル2025グランプリ及川洋子『年齢に関係なく、人生は変えられる』

49歳でミセスインターナショナル初出場にして優勝を果たした及川洋子さん。3カ月の劇的変化を支えたトレーニングと食事管理、化粧品業界歴25年・美のカリスマが持つ「美しさの哲学」を聞いた。

[初出:Woman'sSHAPE vol.30]

「自分という軸」を求めてコンテスト出場の決意

━━『ミセス・インターナショナル』では、ボディコンテスト初出場での優勝という素晴らしい成果を出されました。出場のきっかけは何だったのでしょうか?

及川 「これが自分だという確固たる軸を確立したい」という思いを形にするための挑戦でした。私は今までの人生で「もしかしたら失敗するかもしれない」という大きなチャレンジをしてこず、人の目や気持ちを気にして自分の気持ちを抑えてきました。夫の配偶者としての自分、母としての自分など、求められているであろう役割をこなすことに重きを置き、他者へ愛情を向けることは人一倍大切にしてきたけれど、自分自身への愛情が足りないのではないかと気づいたのがきっかけです。自分のしたいことにありのまま挑戦するというのは、年齢を重ねるごとに難しくなります。50歳を迎えるにあたり人生を見つめ直して、「結果がどうあれ自分自身で決めたことを精一杯やってみたい」「これからは自分の気持ちに素直に生きよう」と思い、出場を決意しました。お誘いいただいてからエントリーまで2カ月を要した一大決心でした。

過去の自分と向き合い、ボディメイクへの第一歩

━━コンテストに向けてトレーニングや食事管理を始める前は、どんな生活だったのですか?

及川 人前に出ることが多いのにも関わらず、実はボディメイクはあまり徹底できていなかったんです。交友関係をとても大切にしてきて、飲食を伴う交流機会が多いほか、自身もお酒が大好きで、夜遅くまで飲むこともしばしばありました。なので、トレーニング前は今より6㎏太っていて、体型のことを度々指摘され、ショックを受けたこともあります。でも、そう言われたことが客観的に自分を見つめ直すとても重要な機会になりました。その後、自己流で色々ダイエットを試してみたけどどれも続かず、という経緯もあり、本格的なボディメイク指導を受けてからの体型の変化には本当に驚きました。

━━トレーニングはどのように進めましたか?過去にジムに挑戦した経験もあったそうですね。

及川 はい。筋トレは一年前に一度ジムのご紹介を受けて挑戦したことがあるのですが、そのときは腰を痛めて断念してしまったんです。小学校から高校までバスケットボールに打ち込み、都内で優勝するなど強豪校で揉まれた経験から、自分の運動能力を過信して重いものを持ちすぎてしまいました(笑)。今回、コンテスト出場にあたっての再チャレンジでは正しいフォームと適切な負荷を学びました。六本木の『ウォリアーズジム』でパーソナルトレーニングを受けたのですが、ボディメイクで世界を目指す選手が集う場所で、凄まじい肉体を持った方ばかりの特殊な環境なんです。通常のジムでは禁止されている撮影や上半身裸になること、シャウトもOKという、異世界のような刺激的な光景もモチベーションになりましたね。自然に私も頑張らなければと思えました。

お尻を鍛える三大トレーニング
美しいドレスラインの秘密

━━具体的にどんなトレーニングを?

及川 お尻の三大トレーニングと言われる「ブルガリアンスクワット」「ヒップスラスト」「ルーマニアンデッドリフト」をメインに行いました。なぜお尻をメインにしたかというと、ドレスを美しく着るにあたっては、腰からお尻のラインというのが最も重要だからです。トレーニングを始めてまず気づいたのは、代謝の変化です。お腹が空いて夜中に起きるほど代謝が上がったのを実感しました。筋肉をつけるというのは、これほど身体に変化をもたらすのかと驚きました。もちろん形もみるみる変わっていきました。お尻が腰の上からぷりっと持ち上がるような張りのあるラインになり、うれしくて皆に思わず「触って」と言ってしまうほどでした(笑)。

六本木のウォリアーズジムで葉英禄トレーナーの指導を受ける。3カ月のトレーニングの中心は、お尻のトレーニング。大きな筋肉であるお尻のおかげで代謝も上がり、太りにくい身体へと変わっていったという

栄養管理の新発見
たんぱく質の重要性

━━食事管理はどんなことをされましたか?お酒や白米が好きと伺いましたが、どのように調整されましたか?

及川 食事管理では初めて栄養素を意識した食事とは、ということを学びました。特にプロテインに初挑戦して、タンパク質が身体にとってどれだけ大事なのかを実感しました。今では1日2回、欠かさず摂取しています。そのまま飲むほか、無脂肪のヨーグルトに入れて食べるなどもしています。また、ダイエットに関しては大好きな白米をやめることなくしっかりと食べながらの方法(3・2・2・1法という1を100gとして1日の摂取量の増減を調整するやり方)であったことが、ストレスなく続けられた大きな要因だと思います。お酒は種類を変えました。糖質量の多いシャンパンとビールをやめる代わりに赤ワインとハイボールにすることで、交流の機会を損ねることなく調整することができました。

プロテインも美味しさを追求する

自宅ではノンオイルドレッシングや卵白のオムレツ、ササミ、シーチキンなど、脂肪に気をつけて食事を工夫して減量食を楽しんだという

肌と心のつながり
25年間の美容業界経験から学んだ美

━━美容のプロとして、女性の美についてどのように考えられていますか?

及川 化粧品業界で25年間、3万人以上のお客様と接してきて感じたのは、肌と心は密接につながっているということです。ストレスや不安が溜まれば肌に影響するし、逆に肌が美しくなったことで自信と自尊心がわいて心まで明るくなる。たとえば『ショップチャンネル』に一度出演すると1000人から2000人近くの方に弊社の商品を購入していただけるんですが、その膨大なフィードバックを受ける度に、肌が美しくなったこと自体への喜びはもちろん、それを通じていかに自分が幸せになったかということをお話しいただけることが多いんです。成分により肌が美しくなることももちろんですが、「毎日のケアを通して好きなことで自分を労り、愛する時間をつくること」が心から明るくなる美しさをつくります。「美は一日では成らず」と私はよく言うんですが、それはケアの継続の重要性だけでなく、少しでも自分を慈しむ時間を日々とり続ける生活を送ることが大切であるという意味でもあるんです。

━━日常生活で美しさを保つためにしていることはありますか?

及川 私は女性らしい装いを欠かさないことでも美意識を保っています。そのひとつが常にヒールを履くこと。ピンヒールに限らずウエッジソールやブーツでもいいので、凛とした女性ならではのおしゃれをして背筋を伸ばして歩くようにしています。気持ちの問題だけでなく、ヒールを履くことはしなやかな脚を作るための腿の筋肉を日常的に鍛えられるというメリットもあるんです。富士山を登った際に、難なく登頂に成功できたことでそれを実感しました。また、姿勢は常に意識していないと崩れやすく、街を歩く際はウインドウに映る自分をチェックして正しています。お肌のケアと同じく、こういう一瞬一瞬の積み重ねを続けることが美しさへとつながると思っています。

ミセスインターナショナルが主催する『ビューティーキャンプ』では、日本大会に向けてファイナリストたちとともにしのぎを削った

3カ月の劇的変化
専門家の指導と積み重ねの力

━━トレーニングと食事管理を始めておよそ3カ月で劇的な変化を遂げられたわけですが、その鍵は何だったと思いますか?

及川 たった3カ月でここまでの変化をしたのは、自己流ではなく専門家にしっかりと指導していただいたことが成果につながったと思います。トレーニングも食事管理も簡単ではなかったし、朝起きたらまず何も口にしないでジムまで歩き、40分ほどトレッドミルをしてから朝食という毎日を送るのは大変だったけど、やはりこうして成果につながると嬉しいですね。ミセスインターナショナルを通じて筋トレという新たな世界に飛び込み、今まで意識してこなかった知識や経験を吸収できたことで、とても人生が豊かになりました。

世界へ、そして女性たちへ笑顔でつなぐ希望

━━日本代表として挑んだ世界大会。結果はアジア人として唯一のTOP15に選出されました。

及川 まず、ミセス・インターナショナルの伊藤桜子代表をはじめ私を日本代表に選んでくださった皆様に感謝しております。これからもコンテストを通じて、日本の女性が活躍し輝ける場所を海外に広げていきたいです。自身の活動を通して自分と同じように迷いや葛藤を抱える女性たちに、「年齢に関係なく、人生は変えられる」という希望を届けるための第一歩になると信じています。私の笑顔が誰かの勇気になり、その笑顔がまた誰かの光になる。そんな連鎖を、この挑戦を通して生み出したいと思っています。

取材・文:にしかわ花 Web構成:中村聡美

おいかわ・ようこ
1975年7月15日生まれ(50歳)。オスカープロモーションを退社後、美容業界に25年間携わり続けている。結婚、出産、子育てを経て、2021年からはショップチャンネルにて世界初の海洋性微生物原料を用いたコスメブランド『ビジュードゥメール』の商品開発と販売。同年、『 株式会社FOMIC'SGroup』の代表取締役社長に就任し、芸能・文化人を集めた文化人事務所として活動。

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