7月30日(水)~8月1日(金)、東京ビッグサイト東棟展示場で開催された『SPORTEC(スポルテック)2025』。フィットネス関連企業が集う大規模イベントの3日目、『SPORTEC CUP2025』が行われ、小竿愛子(こさお・あいこ/43)選手がビキニフィットネスカテゴリーで優勝に輝いた。
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「去年のオールジャパンや世界選手権で、胸の筋肉が不足していることを痛感しました。このオフから、胸を徹底的に鍛えることにしたんです」
昨年まで背中の強化に重点を置いていた小竿選手は、シーズンオフの期間を胸部強化に費やした。狙いは単に厚みを出すだけでなく、胸椎伸展と肩甲骨の安定性を高め、ポージング全体の見映えを底上げすることなど、ビキニ選手として必要だと考えてのことだ。
「ベンチプレスやダンベルフライはもちろん、可動域を最大限使うためにフォームを徹底的に見直しました。胸の張りが出ることで背中の広がりも自然と変わってきたんです」
胸部の厚みが増すことで、フロントポーズやプレジャッジ時のシルエットに立体感が生まれた。特に左胸と左肩の筋力不足を補ったことは、左右差の改善とシンメトリー向上に直結。ジャッジが評価する「全身のバランス」においてもプラスに作用した。
「重量はそこまで伸びませんでしたが、とにかく“効かせる”ことを重視し、質を落とさないことだけは徹底しました」
フルタイム勤務を続けながらの調整は容易ではない。それでもシーズン中はパーソナルと自主トレを組み合わせ、仕上げ期までコンディションを維持した。
試合前、「ここでタイトルが欲しい」と話しており、見事言葉通りにつかみ獲った栄冠。「支えてくれたトレーナーや環境に感謝したい」と語る小竿選手。弱点を明確化し、改善のための時間を惜しまなかったその姿勢が、JBBF主催大会開幕戦での頂点につながった。この後に続く今年のオールジャパンや他の大会が楽しみだ。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中原義史