昨年の日本選手権で10位だった富沢理恵(とみざわ・りえ/55)選手が番狂せを起こした。9月7日(日)に千葉県・千葉市民会館で開催された『第29回日本クラス別ボディビル選手権』の女子フィジーク163cm以下級。優勝候補筆頭は4度の日本一の経験を持つ澤田めぐみ選手。そんな歴戦の女子フィジーク選手を抑え、富沢選手は見事優勝を手にした。
「ビックリです!表彰台に乗れたらいいなと思っていたので、まさか優勝できるとは思っていませんでした。7月の東京選手権では迷いがあったんです。ウエストを細くしなきゃとか、弱点ばかり気にして。でも、自分の強みはやっぱりデカさだと気づいたんです」
東京選手権では、新沼隆代選手に惜しくも敗れ2位に終わった富沢選手。そこからわずか1カ月半、マインドを切り替え「弱点克服」より「強み」をひたすら伸ばす方向に舵を切った。
その期間には、自身の一番のストロングポイントである背中の強化に注力。さらにゴールドジムウエスト東京(中野)で定期的に開かれる小沼敏雄さんのポージングアカデミーに通いつめ、ポージングの精度を高めた。特に今回は重量感を意識した迫力あるポージングを披露。「弱点を直すのではなく、強みを伸ばす」方針が実を結んだ。
そして視線はすでに次なる大舞台、日本選手権へ。「とにかく自分らしくやるのが一番。多くの選手がいる中で唯一無二の存在になりたい。勝ちたいという気持ちよりも、自分がやり残したことをやり切りたい」と力強く語った。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:FITNESSLOVE編集部