コンテスト

泉風雅の場合【ファイナリストの壁を超えるためのカギQ&A】

近年、メキメキと頭角を表す期待の星たち。昨年から今年にかけて、「ファイナリスト」という壁を越えるために、 どんなことをしてきたのだろう。彼らの戦術の中に、「成長の秘密」が見えるかもしれない

取材・文:小笠拡子 Web構成:中村聡美

壁を超えるためのカギ
トレーニングの“固定化”で狙いたい部分を的確に狙う
泉風雅 2025年東京ボディビル選手権優勝

撮影:中原義史

Q.課題に感じていたことは?

コンディション
弱点である胸はもちろんですが、コンディションの作り方に課題を感じていました。減量期において除脂肪を優先しすぎたため、カロリーを削りすぎたり、それに伴ってトレーニングも削りすぎたりしてしまったんです。筋肉に元気がなく、全体的な見た目のコンディションが良くなかったと感じています。

Q.自分の身体を最も成長させてくれたのは?

トレーニングを(ほぼ)完全固定!
分割はPPL法(※)を基本としています。もともと、いろいろなことを試したいタイプで、負荷が安定せず積み重ねられていませんでした。しかしトレーニングを固定したおかげで、狙いたいところをカバーできるようになったと思います。現在27歳でかつ5年間のブランクがあるため、「今伸ばせていなければまずい」という気持ちが強くなりました。その中で取り組むべきことを考えた結果、トレーニング種目の固定に行き着いたんです。※プッシュ・プル・レッグの3つに分けてトレーニングを行う方法のこと

Q.トレーニング面で注力してきたことは?

動作改善
トレーニングでできていない動作をトレーニング中に改善しようとしないようにしました。筋肥大トレーニングとは対象の筋肉に対して負荷を乗せていくこと。もし筋肥大ができていないのであれば、その前段階である動作づくりに問題があると完全に考え方を改めたんです。先述したトレーニングの固定化に関しては、たとえば背中だったら、ワンハンドロウ、DYロウ、ラットプルダウン、ケーブルロウで基本的に固定しています。自分の中で最も強く動かせる種目を第一種目におき、次に足りない部分を補える種目やターゲットが明確な種目を行い、最後は安定したフォームで動作を最後まで続けられる種目で締める、という組み方です。

Q.食事面で変えたことは?

炭水化物量
食事はリカバリーの一つと捉えています。去年は2オン1オフ、1オン1オフくらいのリズム感でやっていたのですが、今年に関しては3オン1オフで回しているのでかなりキツいです。そのため、休養もしっかり取り組むようにしました。その中の食事面で言うと、炭水化物の量をかなり増やしましたね。去年は減量期で1日250 ~ 300g程度だったのが現在は1日400g程度です。一番大事なのは筋肉の状態を維持できるか、なので体調やトレーニングパフォーマンスに合わせて調整しています。

Q.そのほか、変えたことや尽力してきたことは?

とにかく寝る!
睡眠が一番の回復薬だと思っています。トレーニングで、ある程度疲れてしまうのは当たり前。疲労が蓄積しないように、トレーニングに見合った回復時間を確保するように心がけています。

Q.一番の強みは?

上下バランスの高い全身のアウトラインと、ポージングの安定感

いずみ・ふうが
1998年生まれの27歳、東京在住。身長160.5cm、体重72kg(オン)、79kg(オフ)。現在は個人事業主として多岐にわたる活動を行う。事業内容は「秘密(笑)」とのこと(本人談)。お盆期間は地元の徳島に帰省し、よくうどんを食べていた。主な戦績:2025年JBBF東京ボディビル選手権優勝、ジャパンオープン3位

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