「トレーニングを通して、自分の心と身体に自信を持ち、鏡に映る自分を好きになってほしいという願いからフィットネスジムを立ち上げました」
そう語るのは、11月23日(日・祝)開催の『ベストボディ・ジャパン2025年日本大会』クイーンクラス(50〜59歳)ベストボディ部門、準グランプリの千原真美子(ちはら・まみこ/51)さんだ。ジム運営をする会社の社長でありながら、NPO法人の部長としても働き、さらにこの1年では数々のボディコンテストで好成績を残すなどのエネルギッシュな一年だった。

「今年は『ベストボディ・ジャパン』の大舞台に立ち、東京大会で3位、宮崎大会でグランプリ、そして日本大会で準グランプリをいただくことができました」
千原さんにとって2025年は、トレーニングと家族行事の両立において大きな試練となる一年でもあった。何度も「大会をやめようか」と弱い自分と向き合った日々。そんな中、次男とのある約束が強い支えになったという。
家族と共に歩んだ一年
「僕は自分の目指している大学に合格することを目指す。お母さんはトレーニングを続けて、日本一を目指してほしい」
この言葉は千原さんの心の奥深くに届き、共に前を向く力になった。その約束どおり、息子さんは11月、日本大会の月に見事大学合格を果たした。互いに励まし合いながら走り抜けた日々は、千原さん自身の決勝での追い上げ、優勝こそ逃したものの2年連続の準グランプリへと結実した。
「さらに今年は85歳になる母が初めてコンテストを観戦に来てくれたんです。今ではすっかりボディコンテストのファンになったようです。家族が一番近くで応援してくれる存在であることが、大きなエネルギーになりますね」
「反省点は、大きな大会ばかりを狙いすぎたことです。勝つことへの執着が先行してしまって、地元である熊本の大会に出場できなかったことが失敗だったなと思っています。後半になってそのことに気づいて、九州や宮崎のステージにも出場しました。そのときは地元を代表する気持ちで、『くまモンヘア』で出場しました(笑)」
千原さんは「自分のことを愛することができる、たくさんのナルシストを生み出したい。そして大会、コンテストに導いていきたい」という思いで、地元熊本にトレーニングジム『ナルシストフィットネス』を立ち上げた。この言葉からは、競技者としての強さだけでなく、コミュニティの中心となって地域の健康文化を育てたいという強い意志が感じられる。千原さんの2026年は、家族との約束から始まった諦めない心と地元熊本への愛が、さらなる飛躍につながる年になりそうだ。
取材・文:柳瀬康宏 写真提供:千原真美子さん
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。
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