ダイエットのために始めた筋トレが、自分を好きになるきっかけになった。
34歳の看護師・具志堅京香(ぐしけん・きょうか)さんは、2024年6月にパーソナルトレーニングを始めた。それまでジムに通った経験はなく、運動といえば自宅で身体を動かす程度だった。約1年後には、サマースタイルアワード(SSA)のステージに立っていた。2025年6月に初出場した『サマースタイルアワード関西新人類』ではビューティーフィットネスモデル部門4位。同年11月の『サマースタイルアワード関西予選』では同カテゴリー2位と着実に成長を重ねる。そして迎えた今年の名古屋予選。ビキニ部門とビューティーフィットネスモデル部門でプロカードを獲得し、大きな飛躍を遂げた。

普段は看護師として夜勤もこなしながら競技に挑み、「努力できる自分が好きになった」と話す具志堅さん。仕事と競技を両立しながら歩んできた1年間、そしてフィットネスを通して得たものについて話を聞いた。
ダイエットがきっかけで踏み出した新しい一歩
フィットネスとの出合いは、ごく身近なきっかけだった。
2024年6月、ダイエットを目的に現在のコーチを紹介してもらい、パーソナルトレーニングを始めた。それまでジムに通った経験はなく、運動は自宅で身体を動かす程度。大会出場を意識するようになったのは、その年の11月、コーチから勧められたことがきっかけだった。
初めて挑戦した2025年のサマースタイルアワードでは、ビューティーフィットネスモデル部門で4位。その後はトレーニングやポージングを見直し、同年11月の関西予選では2位へと順位を上げた。
積み重ねてきた努力は、今年の名古屋大会で確かな結果として実を結んだ。
夜勤もこなしながら、自分のペースで続ける
看護師として働く具志堅さんは、月に5~6回の夜勤もこなしながら競技に挑戦している。
仕事柄、その日のコンディションは毎日違う。それでも「できる範囲で続けること」を何より大切にしてきた。
「夜勤明けは無理をせず、しっかり睡眠をとってからジムへ行くようにしています。少しずつでも続けることが一番大切だと思っているので、自分の身体と相談しながら取り組んでいます」
大会が近づくと、食事やトレーニングの管理はよりシビアになる。それでも、仕事も競技もどちらかを犠牲にすることなく、自分のペースで向き合ってきた。
「体調に合わせて、思い切ってトレーニングオフにするときもありました」
身体の声に耳を傾けることも、具志堅さんにとってボディメイクの一部だ。
「やれることはやってきた」努力が自信に変わった名古屋大会
今年の名古屋大会では、初挑戦となるビキニ部門にも出場した。
「当日は直前まで初めての部門に緊張と不安がありましたが、『やれることはやってきた!』と、『とにかく楽しむ!』と決めて取り組みました。大会が進むにつれてややゾーンに入っていく感覚があり、ハイになりながら楽しくポージングすることができました」
最初に行われたルーキーチャレンジカップでは、緊張から足が震え、フリーポーズが思うように決まらなかったという。それでも競技が進むにつれて気持ちにも余裕が生まれ、持ち前の表現力を発揮。ビキニ部門とビューティーフィットネスモデル部門でプロカードを獲得し、大きな飛躍を遂げた。
支えがあったからこその飛躍
今回の飛躍は、一人でつかんだ結果ではない。
ポージングの指導では、軸ブレや緩急の見直しのほか、どう表現したいのかを共有しながら、ポージングを作っていった。また、サマスタを通じて交友を深めたフィットネス仲間とのポージング練習では、本番同様に緊張感を持って練習できたことも大きかったと話す。
「そのおかげで自信を持ってステージに立てました」
「出場する私以上に部門ごとに求められる身体を理解しようとして、トレーニングしてくれました。本当に感謝しかないです」
毎大会サポートしてくれるコーチへの感謝も忘れない。
また、大会前には昨年一緒に大会へ出場した選手や、SNSで励まし合ってきた仲間から数多くの応援メッセージが届き、大きな力になったという。
多くの仲間や指導者に支えられながら歩んできた時間が、名古屋大会での飛躍につながったのだ。
今年秋に開催のプロの舞台ではさらに上を目指したい。
「まだまだ下半身が大きいため、アウトラインの良さは維持しつつ、丸みをつけること、下半身に負けない上半身を作ることを頑張りたいと思っています。プロ戦に出るにあたって、トップ選手と並べるような身体づくり、ポージングに励んでいきたいです」
フィットネスがくれた変化
フィットネスを始めたことで変わったのは、身体だけではない。
「変わったことは、自分の容姿を好きになれたことです。以前は自分に自信がなく、趣味と言えるものもありませんでした。でも筋トレを好きになり、大会という目標に向かって理想の体型を目指す中で、努力できる自分を好きになれました」
ダイエットをきっかけに始まった挑戦は、理想の身体を目指すだけでなく、自分を好きになるきっかけもくれた。プロという新たなステージを手にしても、その歩みは変わらない。これからも自分らしいペースで、理想の自分を追い続けていく姿を見守っていきたい。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
福岡県北九州市生まれ。愛知県育ち。大学で社会心理学・メディア論を専攻。各種広告・広報など企業案件の取材・執筆を担当するかたわら、町の文化や魅力を伝えたいと、地域情報の発信にも力を入れている。
取材・文:大熊智子 撮影:上村倫代










