2026年8月1日に開催されたマッスルゲート神戸大会(神戸芸術劇場)のビーチビキニ163cm以下級で、初出場ながら優勝を果たした岡野千紘(おかの・ちひろ/31)さん。シングルマザーとして子育てと仕事をこなしながら、ジム通いを始めてわずか1年。岡野さんを支えたのは、目標を定め、そこへ向かう道筋を一歩ずつ組み立てる「逆算思考」だった。
【写真】岡野千紘さんの黄色いビキニが映える健康ボディのバックポーズ

「なりたい自分」から逆算する
「まずはどんな身体になりたいか、ロールモデルを探したり、自分の身体のコンプレックスがなくなった状態をイメージする。そこから理想の身体になるには何をしたらいいか逆算してアプローチしていくんです」
2026年2月にはミスコンに挑戦。その経験から新たなステージにも挑戦したいと考え、今回の大会出場を決めた。
「今後のためにステージ慣れすることと、来年も大会に出たいと思うかどうかの答え合わせで出場しました。1位を狙うというより、楽しむことと自分のベストを尽くすことを大切にしました」
衣装選びも「逆算思考」
カテゴリー選びでも、持ち前の考え方が生きた。当初はドレスを着るドリームモデル部門も考えたが、衣装代やいろいろなレッスン代などを試算すると大会までの4カ月で40万~50万円ほどかかることが判明。ボディコンテストは初挑戦で今後も続けるか分からないことも考慮し、コストを抑えられるビーチビキニを選択した。水着やアクセサリーは自分のセンス次第で、予算はかなり抑えられるからだ。
今回選んだ水着は黄色と黒のビキニ。「ALENCY」というずっと憧れていたブランドのものだった。肌の色や日焼け具合と水着の色との相性に加え、大会当日のステージ上で「他の出場者の方と被らず、審査員の印象に残る」ことまで考え、逆算思考で選んだ。
完璧じゃなくていい
子育てをしながら仕事とトレーニングを続け、大会前日には息子が発熱するというアクシデントも。その中でできることを一つずつ積み重ねてきた。
同じように子育てをしながらボディメイクに挑戦したい女性へ、岡野さんはこう伝える。
「完璧じゃなくていいし、普通の人でもボディコンテストには出られる。まずは『こうなりたい』って決めること。そこから何をするかを逆算していけばいいと思います」
「私も最初からできたわけじゃないけど、『私もこうだったから、あなたもできるよ』って、等身大で伝えていきたい。『大丈夫ですよ』って」
「コンテストに出る」と聞くと大変そうで、準備や予算も際限なく必要なように感じがちだ。
岡野さんが意識する「逆算思考」は、ボディメイクに限らず、自分に本当に必要なことを見つめ直し、行動に移すきっかけになるのかもしれない。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
都内の出版社で数学書の編集者として勤務。ゴールドジムでトレーニングに励み、ボディビル競技に挑戦中。2024年マッスルゲート埼玉大会ボディビル65kg以下級3位、2025年東京ノービスボディビル選手権大会男子ボディビル55kg以下級2位。競技者としての経験を生かし、筋トレ情報サイト「FITNESS LOVE」で取材・執筆を担当。徳島県徳島市出身、神奈川県大和市在住。
取材・文:久米大郎 写真:岡暁










