コンテスト

39歳・整形外科医が毎日往復「40km」の自転車通勤と筋トレで医師のボディコンテストで優勝「患者さんが病院に来なくなるくらい健康になってほしい」

8月30日に東京・品川インターシティホールで開催された「筋肉医局祭2026」。医師、歯科医師、医学生、歯学生らが鍛え上げた身体や健康づくりの成果を競うなか、ドクターズモデル部門で優勝したのが、整形外科医の小林高之(こばやし・たかゆき/39)さんだ。1歳の子どもを育てながら、時には朝4時に起きてトレーニングを続ける小林さん。「患者さんが病院に来なくなるくらい健康になってもらいたい」と語る、その筋トレ観を聞いた。

【写真】整形外科医・小林高之さんのまるで彫刻のように磨かれた腹筋
小林高之さん

偶然見かけたボディメイク大会がきっかけ

学生時代には野球に取り組み、以前から筋力トレーニングには触れていたという小林さん。しかし、本格的に身体づくりを始めたのはコロナ禍の前後だった。

「昔、部活で野球をやっていたので、筋トレ自体はなんとなくやっていました。本当にやろうと思ったきっかけは、街を歩いていたら偶然ベストボディ・ジャパンの大会をやっていたこと。それを見て『大会に出てみようかな』と思ったんです」

それまでは「贅肉もついていて、別にかっこいい身体という感じではなかった」と振り返る。

今回のステージでは、シャープに絞り込まれた身体も印象的だった。その背景の一つにあるのが自転車通勤だ。

「有酸素運動がてらロードバイクで通勤していました。河川敷を20kmぐらい走って、1時間弱ですね。それを1年以上続けています」

もちろん、自転車だけではない。食事管理とウエイトトレーニングを組み合わせながら身体を作り上げてきた。

1歳の子を育てながら朝4時起きでジムへ

医師として働きながら、家庭では1歳の子どもを育てている。そこで問題になるのがトレーニング時間の確保だ。

小林さんが選んだのは、家族との時間を削るのではなく、自分の生活時間を工夫することだった。

「朝4時とかに起きて、5時ぐらいから2、3時間ジムに行ったりします。もしくは子どもの寝かしつけを一緒にして、夜10時、11時ぐらいからジムに行く。家に帰ってきたら、まずはそっち(家庭)を優先して、そこから筋トレの時間を作っています」

こうした日々を積み重ね、ドクターズモデル部門の頂点に立った。

だが、小林さんにとって筋トレは、ステージで美しい身体を見せるためだけのものではない。

整形外科医として、日々多くの膝痛や腰痛に悩む患者と向き合っている。

「自分自身が運動することで、『この動きはいい』『この動きは悪い』ということを身体で体現できます。そういう意味では、筋トレをしていることが普段の診療にも生きていると思います」

「病院に来なくなるように診療したい」

もし筋トレや運動が広まり、膝や腰の不調を抱える人が減れば、整形外科を受診する患者も減るのではないか。

そう尋ねると、小林さんは迷わず答えた。

「膝や腰が痛いという方はまだ何千万人といます。その中で一人でも健康になっていただければ、それが一番いい。むしろ、病院に来なくなるような感じで僕らは診療したいと思っています」

一般の人に一つだけ運動を勧めるなら「スクワット」だという。

ただし、いきなりジムで重いバーベルを担ぐ必要はない。

「例えば椅子から立ち上がるときに、5回立ち上がってからどこかへ行く。トイレに座ったときも、何かにつかまっていいので5回立ち上がってから出る。そういう形で日々の生活の中に運動を取り入れるだけでも、時間はかかりますけど結構変わってくると思います」

筋トレという言葉には、いまだに一部で「筋肉を大きくしたい人がするもの」というイメージもある。だが、整形外科医として患者を診察し、自身も競技レベルまで身体を鍛える小林さんの見方は違う。

「筋力トレーニングって『脳筋』とか言われたりもしますけど、しっかりやっていけば今ある痛みが取れたり、ボディメイクでいい身体になったり、健康にもつながります。本当に万人がやるようなものだと思うので、そういったものを普及していく活動ができたらいいですね」

【用語解説】
ドクターズモデル部門:一般的にいうスポーツモデル部門。 全身のバランスと美しさを競うカテゴリーで適度な筋肉量と、無駄のない引き締まった身体が評価される。

【筋肉医局祭のアンチドーピング活動】
一般社団法人日本簡易ドーピング検査協会の協力・介入のもと、大会内で簡易ドーピング検査が実施されている。

文・撮影:FITNESS LOVE編集部

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