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【話題!50歳超え女性たち】50代以上の女性が挑むボディコンテストに反響の声 筋トレがもたらす科学的メリットとは

50代から70代まで――年齢を重ねてもボディコンテストに挑戦し続ける女性たちの記事が大きな反響を呼んでいる。本記事では、反響の多かった5人の女性選手を紹介しながら、50歳を超えた方たちがなぜ挑戦を続けられるのか、そして筋トレがもたらす科学的メリットを探る。近年注目される「マイオカイン」という物質が、筋肉から分泌されて全身の健康や若々しさに作用することも明らかになっており、50代以上の女性が筋トレに取り組む意義はますます広がっている。

【写真】50代女性たちのバックポーズを含む大会写真

左から50歳・清水奈穂さん、70歳・石川多津子さん、52歳・角口二三子さん

「お母さんだから」から「これから」へ――50代女性が見せる新しい背中

清水奈穂さん

清水奈穂さん(写真提供:清水奈穂)

「子どもに全てを捧げる教育ママでした。でも末っ子の中学受験が終わり、自分のために時間を使おうと始めたのが筋トレです」

そう語るのは、50歳で『サマースタイルアワード群馬予選』ビキニモデル部門マスターズクラスを制した清水奈穂さん。週6日ジムに通い、下半身を中心に鍛え上げた結果、審査員から「これぞビキニの身体」と評された。清水さんは「筋肉だけではなく肌や髪も含めて美を育てたい。楽しく生きる母の背中を見せたい」と笑顔を見せる。

角口二三子さん

角口二三子さん(撮影:岡暁)

同世代・52歳で『モデルジャパン兵庫・神戸大会』グランプリに輝いた角口二三子さんも、コロナ禍での体型の変化をきっかけにボディメイクを開始。ケトジェニック食を取り入れ、「筋肉は年齢に関係なくつきます。初心者の方は自重トレと食事内容の見直しから始めてほしい」と語る。

清水さん、角口さんに共通するのは、「年齢を言い訳にしない」生き方だ。子育てや仕事に一区切りを迎えた世代が、自分自身の人生を楽しむために筋トレを選んでいる。

骨折から復活、日常をトレーニングに――アラ還女性の挑戦

加藤美樹さん

加藤美樹さん(撮影:岡暁)

一方で60代の挑戦者たちもいる。大阪大会のプラチナクラス(60歳以上)でグランプリを獲得した加藤美樹さん(60歳)は、腰の骨折を経て遺伝子検査を受け、「タンパク質が身体に取り込みにくい体質」と知った。25年以上のトレーニング歴を持ちながらも「まだまだ自分の身体を知ることはできる」と学び続けている。毎朝5時半に起床し、娘と一緒にジムへ行くのが日課。「健康美を競う大会に取り組むことで、自分をより大切にするようになった」と語る。

髙田礼子さん

髙田礼子さん(撮影:中原義史)

59歳の髙田礼子さんは、日常を「軽いトレーニングの場」に変える工夫で体型を維持。買い物帰りの荷物を筋トレ代わりにし、自宅ではマッスルコントロールを実践する。「週3回のジムが無理なら週1回+自宅5分でいい。無理のない仕組みをつくることが継続の秘訣」と話し、「年齢は言い訳にしていい。でもその中で自分に合った強度を選べばいい」と現実的なアドバイスを送る。

加藤さん、髙田さんの言葉は、「頑張りすぎなくても変われる」という安心感と、「いくつからでも始められる」という勇気を与えてくれる。

70歳のビキニ初挑戦――筋肉から分泌される“希望のホルモン”

石川多津子さん(撮影:上村倫代)

さらに注目を集めたのは、70歳でビキニフィットネスに挑戦した石川多津子さんだ。運動経験ゼロから40歳で水泳を始め、45歳からダンスを継続。3年前に本格的な筋トレをスタートし、今年ついにビキニフィットネスに挑戦。ヒールでのポージングに悪戦苦闘しながらも「まだ始めたばかりで、これからが成長期」と語る姿に、多くの読者が共感と驚きを示した。

こうした挑戦には、科学的な裏付けもある。女性のためのトレーニング雑誌『Woman’s SHAPE vol.27』で故・石井直方先生(東京大学名誉教授)はこう説明している。

「筋肉を動かすことで分泌される生理活性物質『マイオカイン』は、筋肉だけでなく骨や腸など多臓器に作用し、脂肪を減らし動脈硬化を予防する働きもあることが分かってきました。骨格筋は身体の約40%を占める最大の器官であり、しっかり活動させることで全身に大きな影響を及ぼすのです」

さらに石井先生は、マイオカインが「美容」や「若返り」にも関わる可能性を指摘する。

「筋肉を刺激して分泌される物質が肌に影響を及ぼしたり、他の臓器に働きかけたりすることが分かってきました。特にマイオネクチンのように、美肌や抗炎症効果に関与する可能性がある物質も報告されています」

また、従来は疲労物質と考えられてきた乳酸も「マイオカインの一種」として再評価されているという。

「乳酸は心臓や脳のエネルギー源として使われるだけでなく、骨を強くする作用や神経細胞を守る働きがあることが分かってきました。むしろ積極的に乳酸を出すような筋トレが、全身の健康維持に重要だと考えられます」

他にもサルコペニアや骨粗しょう症などの対策として筋トレの効果が期待されている。

50代以上女性のボディコンテスト挑戦記事が反響を呼んでいる背景には、「人生の後半でも自分の身体は変えられる」という希望があるのだろうが、大切なのは外見だけではなく、筋トレが衰えつつある身体的機能を改善させる効果があることも多くの読者に知ってもらいたい。

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文:FITNESS LOVE編集部

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