2025年8月23日(土)にNEW PIER HALLで行われた”健康美”をコンセプトにしたボディコンテスト『ベストボディ・ジャパン東京大会』。
その中でも細身でスリムな身体を競い合うモデルジャパン部門。5つのクラスに分かれる中で、最年長にあたるレジェンドクラス(60歳〜無制限)で、年齢を感じさせない見事な肉体を披露し、堂々の準グランプリに輝いたのは藤澤清志(ふじさわ・きよし/65)さんだ。
藤澤さんが本格的に身体を鍛え始めたのは、社会人になってから。幼少期から運動嫌いだった故に20代のころに運動不足を感じて、スポーツクラブに通い始めた。
運動不足解消からマラソンやトライアスロンの挑戦へ
「当初はとにかく身体を動かさなければという思いで続けていましたが、気がつけばマラソンやトライアスロンといった本格的な競技にも挑戦するようになっていました。今は若いころにできなかった種目にもどんどんチャレンジして、若いころに叶えられなかったことを少しでも形にしようと頑張っています」
もちろん年齢には誰も抗えない。すべてが順風満帆にはいかず、膝や肩を痛めて思うように大会に出られない時期もあった。
「今年は怪我の影響でマラソンやトライアスロンには出場していません。それでも、衰えを悲観するのではなく、できる範囲で工夫しながら続けることが大切だと考えています」
60代からの筋トレは工夫がカギ
年齢を重ねるにつれてパフォーマンスは変化する。だが、それを受け入れ、挑戦できることを見つける姿勢こそが、藤澤さんの強さだ。その挑戦を続ける中で、スポーツや競技を通じた仲間やつながりも広がっていった。
「特に整形外科や鍼灸整骨院に通う機会が多くなりますから、その中での知り合いはどんどん増えましたね(笑)。ただ、そのおかげで身体のケアの重要性も改めて感じましたし、トレーニング方法やウォームアップ、ストレッチもしっかり考えるようになりました」
マシントレーニングやフリーウエイトでは、関節に大きな負担がかかる高重量ではなく、可動域を調整した高回数のトレーニングを取り入れるなど、自分に合った方法を工夫している。
また、スタジオレッスンやスイムなど多彩な運動を取り入れて、常に身体に新しい刺激を与え続けている。
死ぬまで老け込みたくない!
「新しいことに挑戦できるのは今のうち。これから先は衰えていくかもしれないけれど、それを嘆くのではなく、できることを楽しみたいです」
その言葉の通り、格闘技や持久系競技など幅広い分野に挑戦してきた経験は、65歳にしてステージで輝く原動力となっている。
「今年の自分を過去最高に」――年齢を重ねるごとに身体の変化はある。昨年の自分ではないことをしっかりと受け入れ、工夫し、楽しみながら継続する姿勢こそが、藤澤さんを優勝へと導いた最大の理由かもしれない。
文:林健太 撮影:FITNESS LOVE編集部
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。マッスルゲートにも出場経験あり。
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