9月6日(土)に神戸芸術センターにて開催されたベストボディ・ジャパン主催『ジャンル別・職業別西日本大会』のミス・ベストボディ・ドクター&医療従事者部門と経営者&投資家部門に出場し、両部門で2位に輝いたのが高見瀧子(たかみ・たきこ/49)さんだ。京都大学医学部を卒業し、内科医を経て現在は眼科クリニックの院長を務めるほか、日本舞踊の師範、社交ダンス競技会への出場、さらには会社経営など多彩な顔を持つ。
「昨年は勝てた選手に今年は負けました。私はあえて体重を増やしてボリュームのある身体を目指したのですが、まだ中途半端な仕上がりだったと思います」
2023年8月にトレーニングを始め、わずか2年弱でここまで美しい身体を作り上げてきた高見さん。社交ダンスの先生に「筋トレはダンスの上達にも役立つ」と勧められたことがきっかけだった。そんな高見さんは35歳のとき、仙骨(※)を骨折。神経損傷によって寝返りや排泄もままならず、半年以上のリハビリを経てようやく日常生活を取り戻した。その後も左腓骨頭骨折や神経麻痺を経験し、歩行や階段の上り下りに左右差が残った。
※背骨の最下部で骨盤の後ろ側を形成する、三角形の大きな骨
「長年の不調で筋肉のバランスや立ち方のゆがみが大きいと感じました。だからこそ、筋トレができること自体がありがたいと感じます」
日本舞踊や社交ダンスで培った表現力はステージ上でも生きているが、全身を連動させる舞踊と、部位ごとに効かせる筋トレの動きの違いに戸惑うことも。「毎回トレーナーに『下手くそ!』と怒られています(笑)」と明るく語る。
痛感した「減量の落とし穴」と食生活の工夫
昨年は極端な低糖質やケトジェニックに挑戦したが、摂取カロリーは約1,000kcalと少なすぎ、筋肉がつかないことを痛感した。そこで今年は「太ることを恐れず」1500〜1800kcalをしっかり食べるスタイルに変更。ご飯を増やしたことで代謝が上がり、最初は体重が減少したが、今では筋肉と脂肪がバランスよく増え、厚みのある身体へと変化した。また卵や乳製品、ネギ類のアレルギーがあるため、毎日の食事は基本的に自炊。夕食には野菜たっぷりのスープを取り入れて満腹感を得ながら、タンパク質源は鶏ささみや豚ロースなどを工夫して取り入れている。朝食はバナナ・豆腐・MCTオイルを使ったプロテインスムージーが定番で「無理なく続けられる美味しいメニュー」を心がけているという。
「服がきつくなったら『太ったんじゃない?』と言われて驚きました。筋肉が付くと、脱げば引き締まって見えるけれど、服越しだと太って見えるんですね(笑)。マッチョな男性がノースリーブを着たがる気持ちが分かりました。あと私が楽しそうにしているのを見て、周囲の人もトレーニングを始めました。一緒に筋肉を見せ合ったり、仲間意識ができたのがうれしいです」
医師としての知識を生かしながら、自身の身体で実践し続ける高見さん。日本舞踊の舞台に立ち、ダンス競技にも出場しながら、ボディコンテストのステージにも挑戦し続ける。
取材・文:柳瀬康宏 撮影:岡暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。
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