8月10日(日)、大阪・門真市民文化会館(ルミエールホール)にて『第36回ジャパンオープン選手権大会』開催された。
日本選手権でファイナリスト常連の原田理香選手、矢野かずみ選手、藤原彩香選手などを抑え女王となったのは、女子フィジーク初挑戦の澤下美香(さわした・みか/42)選手。SNSでは澤下選手の写真と共に「(男子)ボディビルより絞れてる!」というコメントがあるほど、圧巻のボディだった。
【写真】身長147cm、小柄な澤下美香選手の仕上がったバキバキボディ
昨年は左足半月板の手術で、1年大会を休んでいた澤下選手。その復帰戦となったのが今回のジャパンオープンで、しかも女子フィジーク初挑戦だ。周りからは「向いている」とは言われていたものの、147cmという小柄な身長ゆえに、これまで一歩が踏み出せずにいたという。しかし手術の後に「大会復帰をするなら女子フィジークにしようと決めていた」のだそう。
澤下選手のホームは、静岡県にある『マッスルハウスジム』。表彰式後の舞台裏でティアラをつけた澤下選手は合戸孝二選手と「優勝できました」と和やかに話し、表情を緩ませていた。
圧巻の仕上がりで優勝を飾った澤下選手だが、「減量途中で弱気になった」と漏らした。そこからどのように持ち直したのか尋ねると「牛肉をいっぱい食べました!」と元気な声で答えてくれた。
「どんどん自分に自信を失って、ジャパンオープンもやめようか…...と迷ったほど。本当に今日という日を迎えられるのか心配でしたが、ここ1週間前から牛肉をいっぱい食べたらメンタルも回復して!自分でもびっくりするぐらい元気になりました(笑)」
澤下選手の次なる舞台は10月に行われる全日本選手権。「順位よりも、また皆さんと並べることがうれしい」と、楽しみに満ちた表情で澤下選手は話す。女子フィジーク元年、小柄な澤下選手がどこまで舞い上がるか。今後の飛躍に目が離せない。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
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取材・文:小笠拡子 撮影:中原義史