「実際、今はファイナリストからも落ちていて、クラス別も勝てていない状況でした。自分の中で何か変えていかなければいけないなと思っていたので、取り組みが成功して良かったです」
9月7日(日)、千葉市民会館で行われた『JBBF日本クラス別ボディビル選手権』。体重別の日本一を決めるこの大会で、70㎏以下級を制したのは松尾幸作(まつお・こうさく/43)選手。2017、2018年に同階級を連覇した実績を持ちながら、その後は上位から遠ざかった時期もあり、今季は“原点回帰”を掲げて全てを見直したという。
会社員として働く松尾選手は、春に北海道から岡山へ転勤。自宅やジムなど新しい環境で調整を始めたが、「非常に良いジムに巡り合え、トレーニングのレベルも落ちるどころか上げていくことができました」と話した。
「ジムだけでなく、住む環境の変化も自分にはマッチしたのかな、と。妻も献身的にサポートしてくれて、本当にストレスなくここまで調整できました。今、作れる最高の身体は作れたんじゃないかな」
松尾選手のトレーニングルーティーンは10年以上不変の5分割。腕/オフ/背中+腹/胸/オフ/脚/肩+背中上部。弱点の背中は週2回のアプローチで、肩の日に僧帽・上背を刺激。金曜を休養日に固定し、土曜朝は脚を2時間半かけて追い込んでいる。
「平日に休養を2回入れることで、残業や会食が入ってもルーティーンが崩れにくい組み方になっています」
普段の筋トレは夜に行う。20時にジム入り、22時頃まで行うことが多い。減量期は有酸素を追加するが、就寝は23時台に、睡眠は7時間を確保しているとのこと。2時間近くハードに追い込みながらも睡眠時間をしっかり確保し、仕事もトレーニングもパフォーマンスを上げられるような生活を日々送っている。
10月12日に控えた『日本男子ボディビル選手権』まであとわずか。「ここから摂取カロリーを上げていき、より筋肉の張りを出した状態で臨みたい。目標はファイナリスト復帰です」
7年ぶりの優勝で弾みをつけ、2021年以来遠ざかっていた日本選手権ファイナリスト入りに向けて好発進となった。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中原義史