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女子フィジークの元女王・澤田めぐみが語る「3位の現実」──“大きい澤田めぐみ”を取り戻すため

2017年、2018年、2021年、2022年と4度の日本女子フィジーク女王に輝いた澤田めぐみ選手が、10月12日(日)に開催された日本女子フィジーク選手権大会では3位という結果に終わった。女王としてのプライドと冷静な自己分析。その両方が入り混じった心境を、澤田選手は静かに語った。

【写真】澤田めぐみ選手の鬼の棲む背中

「ステージに立ってすぐに、優勝は難しいかなと感じていました。思っていたより脚の仕上がりが良くなくて、順位を聞いたときも“ああ、やっぱり”という感じでした。悔しさよりも、冷静に受け止めていました」

長くトップを走ってきた澤田選手だが、2023年に2位、昨年も2位と成績を落とし、年々身体の反応が変化しているという。絞りすぎで落ちた筋量を戻すことが今季のテーマだった。

「2年前くらいから絞りすぎて筋肉を落としていたので、“大きい澤田めぐみ”を見せようと取り組みました。トレーナーの本野卓士さんと、過去のベスト期のトレーニングを見直して、内容を再構築しました。食事も仕事の合間にできる限り栄養を取るよう意識していました」

「もう一度、強い自分に戻る」ための決断

しかし今季は、肩の故障が長引いた影響もあり、思うようなトレーニングができなかったという。そのため、例年出場していた11月のIFBB世界選手権への出場は見送る決断をした。

「昨年から肩を痛めていて、完全に治っていない状態でした。重量が上げられず、胸のトレーニングにも影響が出ていました。このまま世界へ行っても納得できる結果は出せない。まずは肩を治して、100%の状態で復帰したいと思いました」

来季は“新しい澤田めぐみ”としてステージに立つための準備期間と位置づけている。

「今までの自分では勝てない。脚や肩を中心にアウトラインを変えて、出た瞬間に“今年の澤田さんは違う”と思われる身体で勝負したい。ミッドセクション、背中は自分の武器なので、そこはさらに磨きをかけたいです」

女子フィジークの競技人口は近年増え、レベルも大きく上がっている。澤田選手もその変化を肌で感じている。

「ここ数年で若い選手がどんどん出てきています。どこにこんなにすごい身体の選手がいたの?と驚くくらい。女子フィジークも時代とともに進化していて、昔の“王道”とは違う形になってきています。だからこそ、自分も新しい形を見せていかなければと思っています」

4度の栄冠を手にしても、澤田選手の目は常に前を向く。

「再び日本の頂点へ返り咲きたい、そして悲願の世界一になりたいです」

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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文・撮影:FITNESS LOVE編集部

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