2月11日(火・祝)、高槻城公園芸術文化劇場で行われたマッスルゲート大阪高槻大会。井原和尚(いはら・かずなり/32)さんは、メンズタンクトップ2位、初挑戦のマスキュラーフィジークでも2位の成績を収めた。豊富な筋肉量でステージでも目立っていたが、意外なことに昔から大きかったわけではないという。
今から10年ほど前、井原さんは身長170cmに対して体重60kgほどで、女性向けのスキニーを履くくらいの細身だったという。
「会社に筋トレ部を作った方がいて誘われたんです。『ベンチプレスやってみ』と言われて、何もわからない状態でやって80kg上がりました。そこから週1回くらい筋トレをやり始めました」
当時通ったのは市民体育館。トレーニングルームの管理人がボディビルダーで、「君、センスあるからもっとやり」と言われて週2、3回行くようになり、筋トレや食事を教えてもらってサイズアップした。
「会社を退職してピースボートに108日間乗り、北半球を一周しました。食事がバイキング形式だったので食べ過ぎて、船を降りるときには7、8kg増えていました。そこから鶏むね肉や牛肉、大好きな和菓子をいっぱい食べながら筋トレしていると97.5kgになってしまいました」
「単純にそのときは食べ過ぎていました」、井原さんは言う。
「今は自分で調理したものを食べています。鶏むね肉、魚、フルーツ中心でごはんもしっかり食べます。カロリーも計算して、カーボサイクルで減量しました。息子たちは僕のごはんも案外食べるので、妻の作る食事とミックスして食べている感じです」
今や井原さんは4歳、1歳、0歳3カ月の息子の父親だ。ストレッチ専門店で5年余働いたのち、パーソナルトレーナーの仕事をするようになった。朝3~4時に起きて有酸素運動、家事、保育園や息子たちのご飯の準備。ご飯を食べさせてから長男次男を保育園へ送る。トレーナーの仕事のあと、保育園にお迎え、家族で夕飯を食べてお風呂に入り、夜9時ごろに寝る毎日だ。
「妻は育休中で家にいますが、朝はぼくがやることが多いです。その代わり夜、三男を見てもらっています。日によって交代することもあります」
「3児のパパとして、息子たちにカッコいい姿を見せたい」と臨んだ大会だったが惜しくも優勝はおあずけだった。井原さんにとっては少し残念な結果だったが、いつもがんばっている背中を子どもたちは見て感じているだろう。
「72kgまで絞りましたが、まだまだ甘かったです。2022年奈良大会のタンクトップで優勝したことはありますが、地元高槻の大会で優勝したいので、実現できるようにまたがんばります」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:あまのともこ 撮影:岡 暁 写真提供:マッスルゲート実行委員会