5月6日(火・祝)、保土ヶ谷公会堂で開催された『マッスルゲート横浜大会』。ドリームモデル158cm以下級と40歳以上50歳未満の部門で、見事ダブル優勝を果たしたのは、勝間田節子(かつまた・せつこ/46)さん。これまでに10回以上コンテストに出場してきたベテランでありながら、今回も「やっぱり本番は緊張しました」と笑顔で語る姿が印象的だ。
トレーニングを始めたきっかけは、40歳を過ぎて体型の変化が気になり始めたこと。そんな折、テレビで見たダイエット番組で、パーソナルトレーニングに励む女性たちの姿を目にし、『これなら私にもできるかもしれない』と感じたという。
「筋トレを取り入れた生活を続けることは苦ではないんです。ただ、思ったように筋肉がつかなくて、理想の身体に近づくには本当に時間がかかるんだなと、改めて実感する日々が続いています」
【写真】堂々としたステージパフォーマンスを披露する勝間田さん
そんな中、コンテストに出場する選手への強い憧れが芽生え、『あんな風になりたい!』という強い気持ちからジム通いが日課となり、生活スタイルもストイックになっていった。 3人の子どもを育てるシングルマザーでもありながら、フルタイムで働く日々。競技生活との両立は決して容易ではないものの、毎朝5時に起き、有酸素運動をこなしてからお弁当を作り、仕事へ向かう。
仕事の後は家事を済ませ、夜にはジムへ——。まさに分刻みの毎日だ。
「トレーニングや質を意識した食生活を続けるうちに、朝起きたときの体の痛みや、以前は悩まされていた肌荒れもなくなりました。
もちろん忙しいですが、今の方が身体だけでなく心も整っていると実感しています。シングルマザーでの生活は多忙ですが、逆に一人だからこそできることもあるんですよね」
前向きなエネルギーに満ち溢れる勝間田さん。最近では、サッカーをしている中学生の息子が「部活をやめたら筋トレを始めたい」と話しており、親子でトレーニングに励む未来を楽しみにしていると笑顔で話してくれた。
「大人になってから友だちができることって少ないと思うんです。でもコンテストでは、みんながそれぞれ目標を持って頑張っていて、競技を通して出合えた志の高い仲間は本当に大きな存在です。
子ども達にも、将来はそんな志の高い方々のように、まずは小さな目標から少しずつ積み重ね、やがて大きなゴールに到達できるような人生を歩んでほしいですね」
日々の努力を積み重ねながら、自身の理想に近づいていく勝間田さん。毎日の中にほんの少しだけ自分ファーストの時間を作ることが心と身体を整える大切な習慣になっている。
忙しい日常の中でも、自分の可能性をあきらめない。その姿は、同じように日々を奮闘する母親たちに希望を与えてくれている。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
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文:林健太 撮影:中島康介
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。マッスルゲートにも出場経験あり。