5月6日(火・祝)、保土ヶ谷公会堂で開催された『マッスルゲート横浜大会』。ドリームモデル163cm超級で優勝、50歳以上の部で2位と輝かしい成績を残したのは、児玉多恵子(こだま・たえこ/56)さん。素晴らしい結果を残した児玉さんだが、周囲からは『本当にトレーニングをしているの?』と驚かれることもあるという。
【写真】華々しい姿で圧倒的なステージパフォーマンスを披露する児玉さん
「実は私、ほとんどジムに行っていないんです。家での”ながらトレーニング”がメインなので、毎日ジムで鍛えている人からみたら、『本当にやってるの?』思われるかもしれませんね(笑)」
掃除や洗濯といった日常動作にスクワットやストレッチを組み合わせたり、テレビを見ながらヒップリフトをしたりと、時間と場所に縛られない自分に合ったスタイルでトレーニングを続けている。 短時間でもコツコツと積み重ねることで、着実に変化を感じられるようになったという。
「側湾症もあって、左右のバランスも気になるので、自宅でいろんな動きを試しながら身体と会話しています。筋トレの奴隷にはなりたくないので、このくらいがちょうどいいんです。もちろん、たまにジムに行くこともありますが、私にとってはそれがご褒美の時間なんです」
そんな児玉さんも3年前はコロナの影響で人生最高体重を記録。日常生活すら辛くなりダイエットを決意。わずか半年で20kgもの減量に成功したものの、その変化が大きすぎたことで、今でも心が追いつかないことがあるという。
「短期で一気に身体が変わってしまったせいか、鏡に映る今の自分が、当時の自分と重なって見えることがあるんです。現実を受け入れきれず、気を抜くと体重を落としすぎてしまうので、特に食事には気をつけています」
今でも内臓の休息のために19時以降の食事は控えているが、その時間までにしっかりと栄養のある食事を食べるように心がけている。
「食べなさすぎになってしまうことが多いので、食べすぎたら運動すればいいやという気持ちで、しっかり食べています。身体は正直だから、ちゃんと動けばちゃんと応えてくれる。そういう実感があるんです」
ウエイトトレーニングで目標を立てる人も多いが、児玉さんは「重さや回数に縛られると、達成できなかったときに悲しくなってしまう」と話す。だからこそ、今後も“目標を立てずに身体と向き合う宅トレ”を続けていきたいという。
大切なのは、“できることを、できるタイミングでやる”こと。完璧じゃなくてもいい。限られた時間の中で自分にあったスタイルを見つけて運動を楽しむ。
そんな児玉さんの姿勢は、忙しい毎日を送る誰かの新しいトレーニングのヒントになるかもしれない。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
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文:林健太 撮影:中島康介
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。マッスルゲートにも出場経験あり。