6月28日(土)、浦安市文化会館で行われた『マッスルゲート東京ベイ大会』のビキニフィットネスマスターズで5位入賞を果たした伊藤さゆり(いとう・さゆり/50)さん。大会出場歴2年目、ビキニフィットネス初挑戦で勝ち得たこの快挙までの軌跡とボディメイクへのこだわりについて、話を聞いた。
「トレーニングを始めたのは約3年前、2022年の秋。子育てと介護とがひと段落したこともあり、環境を変えたくて決めた転居の荷造り中に母子手帳を見つけたのが、そのきっかけでした。そこに記された、現在26歳になる長男を妊娠していた臨月時の体重が、ちょうどその当時の体重とまったく同じだったんです(笑)」
二度の妊娠・出産を経て、気付けは10kg以上も増えていた体重に、そのときあらためて愕然とした伊藤さん。急いでジムに入会し、トレーニングを開始した。
「学生時代に所属していたバスケ部で培った根性が目覚め、筋トレが楽しくて、でも思う通りにできないともう悔しくて……。夢中で取り組んで一年が過ぎたころには身体のラインに変化が。そこで筋トレ仲間でもある次男に『なにか目的を持って取り組んだら?』と背中を押されて昨年、レギンスカテゴリーで初出場。その結果、最高4位の順位をいただくことができました!」
今年は「ビキニフィットネスに挑戦する」と決め、準備を始めたのは今年3月のこと。
「ヒールを履いてのウォーキングやポージングに苦労しました。まずヒールでのウォーキング練習に1カ月、そしてポージング練習にまた1カ月。そのさなかで足を痛めてしまって、ヒールが履けない、足に負荷がかかる脚トレもできない、有酸素運動もできない、というピンチもありました。それでもポージングの修正、手指での表現、減量など、課題もやることも山積みで。大会直前までそのすべてに同時進行で取り組んだ、まさに試行錯誤の3カ月間でした」
「食べることが好き」ゆえに、減量食を楽しく続けるための工夫にもこだわった。
「よく食べていたのが、鶏むね肉、各種野菜やキノコ類、さつまいもなどのセイロ蒸し。市販のギリシャヨーグルトをオリーブオイルやMCTオイルでのばしてニンニク、スパイスを加えたら、鶏肉に合うケバブ風のソースになります。あとヨーグルトとカレー粉を混ぜたソースに漬け込んだ鶏肉を焼くと、柔らかくジューシーなタンドリーチキン風に仕上がっておいしいんです」
今回の結果を「まだまだ伸びしろのある評価」ととらえ、「これからも楽しく挑戦を続けたい」と言う伊藤さん。
「今後最優先で強化していきたいパーツは背中です。ボディメイクを始めてから、体重では10kg以上、そしてボディラインではそれを超える変化がありました。いまはまだ途中段階ですが最終的には、強さのなかにも優雅さを感じさせる“セクシーゴリラ”になること!これが私の目標です(笑)。そしておばあちゃんになっても、一番シンプルで実は一番難しいTシャツデニムが似合うかっこいい身体でいたいですね」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:大塚真奈美 撮影:中島康介
執筆者:大塚真奈美
編集者・ライター。ヘルス&フィットネス、美容、グルメなどの分野で企画・編集・取材・執筆。群馬県出身、東京都在住。