10月25日(土)に開催された『マッスルゲート静岡』のボディフィットネスで、会社員の大川原みちこ(おおかわら・みちこ)さんが優勝した。これまで5月の『マッスルゲート福島大会』ではレギンスフィットネス4位の成績を収めており、思い切ってカテゴリーを変えてのチャレンジだった。かつては痩せるために食欲抑制剤を飲むなど、痩せるために目的を選ばなかった大川原さんがいつの間にか『痩せるため』ではなく、トレーニングが楽しくなり、いつの間にか痩せていたという。

「痩せなければ」という思い込みを壊してくれた筋トレ
かつては「脚が太い」と言われ、人と比べては「痩せなければ」と思い詰めていた大川原さん。食べないダイエットを繰り返し、精神的にも追い詰められた時期があったという。
「海外の食欲抑制剤を飲んだこともありました。心拍数が上がって体調を崩し、やめたんですけど……それでも“痩せなきゃ”という強迫観念が消えませんでした」
そんな大川原さんを変えたのが筋トレだった。
「運動自体は好きで、20歳ごろからジムに通い始めたんです。途中からキックボクシングにも挑戦し、試合に出るようにもなりました。でも“自分流”の筋トレでは限界を感じて、思い切ってパーソナルに通い始めたのが転機でした」
トレーナーに教わった「腕ではなく背中で引く」という感覚が、当初はまったく分からなかったという。
「頭では理解できても、身体がついてこない。何度も何度も練習して、ようやく“背中で引けた”感覚がつかめたときは本当にうれしかったです」
そこからは週5日・2時間のトレーニングが生活の一部になった。分割は肩・背中・お尻・脚の4分割。背中は上背部と下背部を分け、厚みを作る日も設ける。肩は特にリアを重点的に、ケーブルとダンベルで“チリチリ痛みが出るまで”追い込むという。
「効かせる感覚を掴むことが私のこだわり。頭で理解するより、身体で覚えることが大事なんです。分からなければ、分かるまで試す。諦めない——それが私のボディメイクです」
今回のボディフィットネス初挑戦は不安もあったという。
「絞りと身体には自信がありましたが、ポージングはぎこちなかったと思います。でも挑戦して本当に良かった。コンフォートゾーンを抜けるきっかけになりました」
大会を終えた今、大川原さんは感謝の気持ちでいっぱいだ。
「途中で投げ出したくなることもありましたが、諦めないでやり遂げた自分に“ありがとう”と伝えました。応援してくれた姉や友人、トレーナーのみなさん、本当に感謝しています。コンフォートゾーンを抜けた先には、また新しい世界と出会いが待っていると思うとワクワクします」
今後はさらにバルクを増やし、骨格を生かした身体づくりを目指す。
「人と比べるのはやめました。与えられた自分の身体をどう生かすか。もっと変わって、自分だけのパーフェクトボディを作りたい。人がどう見るかじゃなく、自分が満足できる身体を目指します」
次なる挑戦は、12月のゴールドジムジャパンカップ。いつの間にか筋トレに夢中になり、無理なダイエットをしていたことが嘘のようだ。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩










