マッスルゲート選手 コンテスト

「お尻がでかい」「戸愚呂弟かよ」と言われた36歳 初大会後の過食症を乗り越え3年越しのコンテスト優勝「心にギャルを宿しています(笑)」

「お尻がでかい」「いかり肩すぎて戸愚呂弟かよ」

かつて体型をいじられた経験があった木村愛子(きむら・あいこ/36)さん。筋トレを通じてコンプレックスだった身体は強みに変わり、マッスルゲートではビキニフィットネス35歳以上マスターズ、一般の部で優勝を果たした。しかし、その道のりには初めての大会後に過食症に苦しんだ過去もあった。

【写真】木村愛子さんの「でかいお尻」を武器に変えたバックポーズ

木村愛子さん

「何もかも中途半端な自分が嫌だった」

ゴールドジム札幌手稲でトレーナーとして働く木村さんは過去の自分をそう振り返る。現在はステージで輝くビキニフィットネス選手だが、筋トレを始めたきっかけは「自分を変えたい」という思いだった。

「いろいろなことに興味を持ちチャレンジするのは得意でした。でも、片足を突っ込むだけで終わることが大半で、何もかも中途半端な自分に嫌気がさしたんです。何か一つでも打ち込んでみたいと思ったときに、やろうと思ったのが筋トレでした」

学生時代から身体に対する何気ない言葉を受けたこともあった。

「お尻がでかいと言われたり、いかり肩すぎて『戸愚呂弟(※)かよ』と言われたこともありました(笑)」
※アニメ『幽遊白書』に登場するキャラクター

しかし、今ではその身体の特徴は競技における武器になった。身長162.5cmの木村さんが得意とするのはヒップトレーニング。高重量を扱うだけではなく、フォームを丁寧に意識しているという。

「低重量でもピンポイントで効かせられるように体勢をセットするのが得意です」

一方で、ボディメイクは順風満帆ではなかった。初めて大会へ挑戦したときは、自分自身を追い込みすぎてしまった。

「初めての大会では精神的に追い詰めすぎて、過食症になりました」

そこから3年。今回、再びステージへ戻るために意識したのは、身体だけではなく心を整えることだった。

「前シーズンとは劇的に減量もトレーニングも楽になりました。こんなにストレスフリーに大会準備ができる日が来るなんて、3年前は信じられなかったです」

木村さんが大切にしているのは、規則正しい生活だ。朝は5時前に起床し、夜は21時30分には就寝。睡眠時間は7時間半を確保し、自律神経を乱さない生活を心がけている。

ギャルを心に宿すことで追い込み過ぎないようにする

さらに、もう一つ大切にしている習慣がある。

「自分に対してポジティブな声掛けをすることです」

トレーニングができない日、怪我で休まなければならない日、周囲と比較して不安になる日。そんなときも、自分自身を責めないようにしている。

「『私は大丈夫』『できることからやればいい』と自分を励ます癖をつけています。ひどいときは『まじウケる〜』の精神で、ギャルを心に宿しています(笑)」

筋トレによって変わったのは、身体だけではなかった。

「人と比べることや人の目を気にすることが多かったのですが、『自分はどうしたいのか?』を考えるようになりました。自分軸で意思決定ができるようになり、他人にも優しくなれている気がします」

現在の目標は、ただ筋肉を付けることではない。

「シルエットだけで見ても美しく見える女性らしい身体を目指しています。そして『あの人いつも明るいよね』『会うと元気が出るよね』と思ってもらえる人になりたいです」

週3〜4回、1回1時間〜1時間半のトレーニングを継続する木村さん。今回の優勝については「とてもうれしかったです。3年越しの大会出場を無事に終えられてホッとしました」と笑顔を見せる。

最後に、自分と同じように自信を持てず悩む人へメッセージを送った。

「自分に自信がない方、自分を愛せない方が日本には多すぎる気がします。私もその中の1人でした。でも、ちょっとした生活や食事のコツ、マインドセットだけで変われます。誰でも行動次第で変われるし、自分を好きになれる日が来る。時には心にギャルを飼いながら、ポジティブにボディメイクを楽しむ人が増えてくれたらうれしいです」

【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。

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取材・文:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩

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