「30歳を超えてからこんな自分になるなんて、夢にも思いませんでした」
そう語るのは、6月14日に開催されたボディコンテスト『サマースタイルアワード名古屋予選』のビキニモデル部門で身長別優勝を果たした川島美香(かわしま・みか/31)さん。普段は事務員として日常を送るかたわら、ボディコンテストとの両立の工夫を追った。
ダイエットから始まったボディメイクが進化
元々ふくよかな体型だった川島さんは、ダイエットをきっかけに本格的にトレーニングを始め、15kgの減量に成功。そこからさらに理想の身体を追求したいという思いでコンテストに挑戦した。30歳を過ぎてからの挑戦でも、身体の進化は年齢の壁を感じさせない。特にこの1年で背中の形が劇的に変化したという方法を聞いた。
「ラットプルダウンで上から、シーテッドロウやワンハンドケーブルロウで真っすぐ、ダンベルワンハンドロウやベントオーバーロウで下からと、背中全体を満遍なく鍛えました。逆三角形のシルエットがくっきり出てきて、Vシェイプ(肩からくびれまでのライン)がきれいになりました」
トレーニングを日々継続するための工夫は、スマートフォンのカレンダーに鍛える部位をあらかじめ登録して可視化することだという。また、ジム滞在は1時間半以内と決め、インターバルを1分に設定して集中力を維持しているという。
食事管理は独特だ。カロリー計算や体重計測はほぼしない。
「大事なのは見た目で、数字に一喜一憂したくないから、普段は気にしないようにしています。明らかに痩せたと感じたときだけ体重計に乗ってテンションを上げます(笑)」
食事は鮭、鯖、鶏胸肉、ラム肉をたんぱく質の中心に、自分の体質に合う大根おろしやキノコを添えたメニューを週末に作り置き。「料理の手間を省くことで、忙しくても続けられる」と話す。
過酷な挑戦を支えた絆
初めての『サマースタイルアワード』への挑戦は、転職によるフルリモートから出社への変化という新環境の中で迎えた。
「正直、プレッシャーと疲労でボロボロでした。気づけばオフなしで1週間以上トレーニングしてたり、顔が青ざめてると心配されたり……。自分を追い込みすぎてしまっていたみたいです」
乗り越えられたのは、家族や友人、トレーナーの支えがあったからこそだという。
「周りの人たちの応援がなければ、ステージまで辿り着けなかったと思います。競技の楽しさは、トレーニングを通じて変わっていく自分だけでなく、仲間との絆や環境の大切さをあらためて感じられることも大きいです。応援してくれる人たちのためにも、これからもステージでは最高の自分を見せられるように頑張ります」
今回の優勝で、川島さんは同団体のプロ選手契約権も獲得。当初は大会後オフにする予定だったが、「プロ戦への挑戦も前向きに考えたい」と意気込む。川島さんの挑戦は、年齢や環境は目標とひたむきな努力によって凌駕していけると教えてくれた。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:にしかわ花 撮影:上村倫代
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。
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