フィットネス HYROX

スパルタンレースの次に見つけた舞台──HYROXで感じた“もう一つの楽しみ方”【HYROX WARRIORS no.24】

世界的に話題のフィットネスレース「HYROX(※)」で活躍する選手に迫るコーナー。第24回は、起業家のDaniel Chu(だにえる・ちゅー/46)さんを紹介する。

※「HYROX(ハイロックス)」とは、ランニングとフィットネス種目を組み合わせた新しいスタイルの競技。1kmのランニングと、8種目のファンクショナルトレーニング(機能的全身運動)を交互に繰り返すことで、筋力や持久力だけではなく、さまざまなフィットネスに関する能力が問われる。

【写真】自身の立ち上げたフィットネスブランド“DNELMADE”を身に纏いレースに挑むダニエルさん
Daniel Chuさん

戦友との再会、韓国での初挑戦

ダニエルさんがHYROXに初めて出場したのは、2025年8月の韓国・仁川大会。きっかけは、コロナ禍以前によく一緒に遠征していた“戦友”との再会だった。

「昔はスパルタンレースの遠征でよく海外に行っていました。久しぶりにその仲間と再会して、当時の思い出が一気に蘇りました。韓国ならグルメも楽しめるし、せっかくだから一緒に出場してみようと、軽い気持ちでエントリーしました」

初出場ということもあり、目標はシンプルに「完走して楽しむこと」。普段からトレーニングを続けていることもあり、不安は特に感じなかった。むしろ、久しぶりの海外レースにどこか懐かしい高揚感があった。

クロスフィット経験者でも苦戦した「ラン」

普段はクロスフィットで身体を鍛えるダニエルさん。自身でもクロスフィットアイテムのブランド『DNELMADE』を立ち上げるほどの本格派。

そのため、ワークアウト種目自体への不安はほとんどなかったが、ランニングには少し苦手意識があったという。

「正直、ランのトレーニングは全然足りていないと感じました。なのでレース前は意識的に走る練習をしました」

取り入れたのは、インターバル走やテンポラン。さらに、筋トレを組み合わせることで、疲労した状態でも走り続けられる体づくりを行なった。

HYROXでは、ただ速く走れるだけでは十分とは言えない。ランの直後にすぐワークアウトへ入ることが求められるため、回復力と耐久力の両方が重要になる。

「1km走ったあと、回復を待たずに次の種目に入る。そのためのトレーニングをしっかりしておくことが大切だと思います」

ダブルスで出場した韓国レース。役割分担は特に決めず、ほぼ半々で種目をこなした。

「スキーやローイング、ウォールボールなどの持久系種目には自信がありました。でも、中盤から後半にかけてのランはかなりキツかったですね。パートナーとランのペースを合わせないといけないので、速すぎても遅すぎてもいけない。その調整にも体力を使いました」

積み重なる疲労の中でのランニング。HYROXの難しさは、まさにそこにある。

HYROXは「仲間と楽しむ旅のメインイベント」

ダニエルさんは、HYROXをこう表現する。

「クロスフィットやスパルタンレースとは少し違って、仲間と一緒に楽しむスポーツイベントだと思います。特にダブルスやリレーでは、同じユニフォームを着て、同じリストバンドをつけてスタートラインに立つ、その一体感も魅力だと思います」

さらに、海外レースならではの楽しみ方もある。

「レースの日程に合わせて、グルメや観光を楽しむのも最高です。競技だけでなく、旅そのものも含めて楽しめるのがHYROXの面白さだと思います」

次の目標として掲げるのは、故郷である香港でのHYROX出場。レースを終えた後、同じ達成感を分かち合った仲間と、その土地のグルメを囲みながらレースを振り返る−−。そんな時間もまた、HYROXという“旅”の大きな魅力なのかもしれない。

次ページ:自身の立ち上げたフィットネスブランド“DNELMADE”を身に纏いレースに挑むダニエルさん

文:林健太 写真提供:Daniel Chu

執筆者:林健太
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。HYROX横浜はシングルプロ、大阪はミックスダブルスで出場。

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