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98歳も参加する「生涯元気塾」 御徒町の老舗ボディビルジムが示す医療費削減の可能性

東京都台東区・御徒町にある「トレーニングセンターサンプレイ」は、1977年の創業以来、日本のボディビル界を牽引してきた老舗ジムだ。これまでに数多くのボディビル王者を育てただけでなく、相撲界では曙や照ノ富士、柔道界では五輪金メダリストの斉藤仁、石井慧、ウルフアロンら、多彩なアスリートが門を叩いてきた名門でもある。

【写真】生涯元気塾でスクワットする高齢の方々たち

その一方で、サンプレイは「生涯元気塾」として高齢者の健康づくりにも力を注いでいる。1998年に埼玉県三郷市で始まったこの取り組みは、口コミで広がり、現在では台東区や日野市、小山市など複数の自治体で展開。三郷市の教室には最高齢98歳の男性が参加し、休まず90分間のプログラムをやり遂げる姿が周囲の励みになっているという。

長年にわたり元気塾を支えてきたサポーターの上地さん(68歳)は「人に誘われて何気なく始めましたが、違和感は全くありませんでした。身体がとてもいい状態になるのを実感できます」と話す。山田さん(74歳)も「サンプレイの指導はテレビや他の運動プログラムと比べても内容がしっかりしていて、やれば間違いないという安心感があります」と信頼を寄せる。

創業者の故・宮畑豊氏の理念を受け継ぎ、指導にあたる真鍋トレーナーはこう語る。

「最初は59人から始めましたが、これまでに2万人以上のデータが集まりました。その結果を東京大学の故・石井直方先生に解析いただいたところ、参加者一人あたり年間約5万円の医療費削減効果があることが示されたのです」

9月28日(日)に行われた「サンプレイマッスルフェスティバル in パンダ広場」でも、約60名が御徒町駅前に集まり、元気塾のプログラムを体験。世代を超えた参加者が一堂に会し、地域の活気を象徴する場となった。

座ってできる運動を中心に立位でのスクワットなども混ぜて30分間のプログラムが敢行された。

「マッチョなジム」というイメージを持たれることも多いサンプレイだが、実際にはトップアスリートから高齢者まで幅広く門戸を開き、地域とともに健康づくりを支えている。御徒町の小さなジムから始まった取り組みは、今も「生涯元気」の理念を掲げ、世代を超えて人々の生活に寄り添い続けている。

取材:FITNESS LOVE編集部

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