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世界を目指す挑戦者―HYROXがもたらす新しい景色【HYROX WARRIORS no.7】

世界的に話題のフィットネスレース「HYROX(※)」で活躍する選手に迫るコーナー。第7回は、海外レースでの表彰台を目指す、宮原健二(みやはら・けんじ/36)さんを紹介する。

※「HYROX(ハイロックス)」とは、ランニングとフィットネス種目を組み合わせた新しいスタイルの競技。1kmのランニングと、8種目のファンクショナルトレーニング(機能的全身運動)を交互に繰り返すことで、筋力や持久力だけではなく、さまざまなフィットネスに関する能力が問われる。

【写真】長身を生かしてダイナミックにワークアウトをこなす宮原さん
宮原健二さん

新しい挑戦へのワクワクと不安

「HYROXに挑戦しようと思ったきっかけは、単なる筋力や持久力ではなく、両方を試せる新しい挑戦をしたかったからです。これまでのトレーニング成果を試す機会として横浜大会をとても楽しみに迎えました」

その一方で、「全てのワークアウトを最後までこなせるのか」という不安も抱えていたと話す宮原さん。しかし、その“ワクワクと不安の入り混じった気持ち”こそが、挑戦心をさらに燃え上がらせたという。

レースに向けた準備と本番

出場に向けては、長距離ランニングを軸にしつつ、さまざまなジムで開催されている、HYROXトレーニングクラスにも参加。持久力と筋力の両面をバランスよく鍛えるメニューを積み重ねた。

「身長が高いので、ウォールボールとバーピーブロードジャンプは有利だと思っていました。ところが、実際のレースではどちらのステーションもかなりきつく、結果的に一番時間がかかってしまいました」

思った以上に体力を削られて、何度も心が折れそうになったと話す宮原さん。その一方で、スレッドプッシュは純粋な力比べのようなわかりやすさがあり、観客の声援に後押しされると、不思議と力がみなぎってきたという。

HYROXの魅力

レースは一人でも挑戦できるが、HYROXへの挑戦は決して一人ではなかったと振り返る。

「最後のランニングエリアでは、疲れ切っていた私を家族や友人が励ましてくれたことがとても印象的でした。あの声があったからこそ、最後まで走り抜けられたと思います」

一人では乗り越えられなかった壁も、仲間や周囲のサポートがあるからこそ超えられる。そこにHYROXの魅力が詰まっている。

「レースは苦しい場面ももちろんありますが、走り切った後の気持ちは今でも忘れられません。体力だけでなくメンタルも強くなれるので、人生そのものが前向きに変わった実感があります」

自分の成長だけでなく、仲間との絆や応援してくれる人々の想いが力に変わる。HYROXは競技を超え、人をつなぐフィットネスであることを証明している。

次ページ:長身を生かしてダイナミックにワークアウトをこなす宮原さん

文:林健太 写真提供:宮原健二

執筆者:林健太
パーソナルトレーナー、専門学校講師、ライティングなど幅広く活動するマルチフィットネストレーナー。HYROX横浜はシングルプロで出場。

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