栄養素 サプリメント

ボディメイクがうまくいかないのはホルモンのせい?整えるための実践メソッド

日本でもフィットネスが盛んになってきたが、どの情報を信用すればよいのか迷っている人も多いのではないだろうか。そこでIRONMANのネットワークを生かし、フィットネスの本場・アメリカの耳寄り情報をお届けする。これを読んで、諸君のボディメイクに生かしていただきたい。

※IRONMAN 2024年8月号に掲載された「PICK UP from IRONMAN USA」をWEB用に編集したものです。

ボディメイクがうまくいかないのはホルモンのせい?整えるための実践メソッド

自然なホルモン分泌法を探ろう

薬物使用の危険性

「筋肉づくり=健康づくり」のためには「ホルモンバランスを整えること」が非常に重要だ。そして、ホルモンバランスを整えるためには、できるだけ薬を用いない方が良い。もちろん、乱れてしまったホルモンバランスを整えるための治療薬は確かにある。短期間に薬の力を借りてでもホルモンバランスを整えたいという人は、そもそも病院やクリニックに行って相談するのが一番有効な方法だ。ただし、そのようなテストステロン補充療法を受ける場合は、何らかの副作用があることも事前に知っておく必要がある。もちろん、テストステロンを含むホルモン治療の全てが悪いというのではない。しかし、リスクを最小限にとどめるためにも、自然な方法でホルモンバランスを整えていくことを目指そう。

自然なホルモン分泌法を探ろう

 

食事の改善

タンパク質をたくさん含む食材、複合炭水化物の食材、健康的な脂質を含む食材、ビタミンやミネラルを含む食材、これらを組み合わせた食事メニューが理想的だ。特にブロッコリーやカリフラワー、ケールなどのアブラナ科の野菜には、エストロゲン(女性ホルモン)の代謝を促し、調整するDIMが含まれている。

運動

特に筋肉に負荷をかけるウエイトトレーニングや、心肺機能を強化する有酸素運動は、性別を問わずホルモンレベルに良い影響をもたらす。ウエイトトレーニングはテストステロンの分泌を促し、女性の場合はエストロゲンを維持し、低下しやすい骨密度を高く保つ。中でも率先して行いたいのがスクワットやデッドリフトなどの多関節種目だ。これらの種目を行うことで、トレーニング後のテストステロンレベルが45%も増加したという結果を得た実験もある。

縁の下の力持ち・消化酵素

食物が確実に消化され、必要な栄養素が吸収されると、ホルモンバランスを整えて維持することにもつながる。消化酵素には、食物を小さな分子にまで分解する働きがあるので、体内に吸収されやすくなるのだ。例えばパイナップルやパパイヤなどの果物には消化酵素が豊富に含まれているので、消化や吸収が促進される。

縁の下の力持ち・消化酵素

ホルモン系を補佐するサプリメント

ホルモンバランスを整えるためには、本来なら食事と運動だけでも十分だ。しかし、より確実な結果が得たいならサプリメントも活用しよう。ただし、あくまで補佐的な役割であることに留意する必要がある。

必須脂肪酸

ホルモンの生成を促すだけでなく体内の炎症抑制、脳機能の補佐、コレステロールレベルの維持など様々な役割を持っている。食材の例:脂ののった魚、フラクシード、クルミなど

ビタミンD

ビタミンDは骨の健康維持に欠かせないことはよく知られるようになったが、実はホルモンバランスの調整にも有用な物質だ。

体内のビタミンDレベルが高い状態で安定している人の体内では、テストステロンやエストロゲンなど多くのホルモンのレベルが安定している。

最も手軽に体内のビタミンDレベルを高めることができるのは日光浴だ。毎日、適度に屋外に出て太陽の光を浴びるようにするといいだろう。ただ、天候に左右されることがあるため、ビタミンDサプリメントも有効だ。ビタミンDは脂溶性なので、先の必須脂肪酸を含む食材と組み合わせて摂ると効果的だろう。

プロバイオティクス

プロバイオティクスは腸の健康に不可欠だが、実はホルモンバランスの調整にも役立つ。というのも、腸が健康だとホルモンバランスも安定するからだ。そのため、日頃からヨーグルトやケフィア、発酵させた野菜などを食べて腸の健康を意識するようにするといいだろう。

もちろん、プロバイオティックのサプリメントを利用するのもいい。発酵食品を食べられない場合は積極的にサプリメントを活用してほしい。

ホルモン系を補佐するサプリメント

テストステロンを高める成分

ここからはさらにテストステロンレベルを高めたい人のためのサプリメントを紹介する。ただし、ホルモンバランスを整える食事をしていることを前提が前提である。

トリブラス・テレストリス

一般に知られるようになったのは、これを摂取していたブルガリアのウエイリフティングチームのテストステロンレベルが総じて高かったことが判明したからだ。ただし、品質の良いトリブラス・テレストリスを選び、体内で確実に消化されて栄養素が吸収されれば、体内で作り出されるテストステロンの生成量が増加する。

亜鉛

テストステロンの生成に必須とされているのが、ミネラルの亜鉛だ。サプリメントで摂取するならビスグリシン酸亜鉛と呼ばれるオーガニックタイプのものがいいだろう。

トンカットアリ

テストステロンのレベルだけでなく性欲を高め、体内のホルモン状態を活性化することが知られているハーブだ。

消化酵素

ここに紹介した成分はいずれも体内で消化、吸収がされなければ効力を発揮することはできないため、消化酵素と組み合わせることを勧めたい。

 

ボディメイクを左右する「ホルモンバランス」
Natural Hormonal Balance: The Key to Mental Wellness, Muscle Building, and Longevity from Iron Man Magazine 2024 Spring Issue written by Doug The Formulator

参考文献
Bradlow, H. L. (2008). Review. Journal of Nutrition, 138(7), 1260S-1264S. doi: 10.1093/jn/138.7.1260S.

文:IRONMAN編集部

-栄養素, サプリメント
-,


おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手