
トゲドコロ山芋(通称:琉球ヤムイモ)に多く含まれるジオスゲニンは、近年、その多様な効能に注目が集まっている。実際にジオスゲニンを取り始めたという桑原弘樹氏と関口貴夫氏の対談から見えてきたのは、アスリートや中高年の課題への大きなサポートとなる可能性だった。
取材・文:舟橋位於 撮影:EISUKE KOMATSUBARA Web構成:中村聡美
桑原弘樹
「ジオスゲニンを飲み始めて、まず初めに筋肉に対する反応をダイレクトに感じました」

関口貴夫
「ジオスゲニンを摂取して最初に眠ったときの感想は『ヤバい、寝過ぎた!』と慌てたくらい寝れたことです」

桑原 ふと気づけば、僕も中年を過ぎて高年となり、あと数カ月で高齢者と呼ばれる年齢になってしまいます。こうして年齢を重ねてくると、ガクッと衰えを感じるポイントがところどころで出てきます。
関口さんもとうとう50歳になったということですが、何か若い頃と比べて変化を実感しますか。
関口 20代や30代の頃は、トレーニングに対する身体の反応は良かったですし、一晩寝ればしっかり回復するのが当たり前でした。精神面でもさまざまなことにアグレッシブに取り組めるところがありました。
それが50歳手前になってみると、眠りが浅かったり、日中眠かったりという症状が現れ始めました。トレーニングに関しても、昔はパンプしないなんてことはありえなかったです。しかしここ1、2年は、高重量で追い込むと「逆に萎んでるんじゃないか」というような悲しい現象も見られるようになりました。
こうした日中の活力やトレーニングの点をなんとかしたいと思っていた矢先に紹介していただいたのが、国内でも様々な研究がされているジオスゲニン(図1)でした。サプリメントをいただいてから、まずは寝る前に飲んでみたんです。そして次の日目覚めたときに「ヤバい!寝過ぎた!昼過ぎくらいになっているかもしれない」と慌てたんです。ところが時計を見るとまだ朝の4時でした。しっかり眠れて身体が元気なのは、もしかして昨日飲んだジオスゲニンの効果かもしれないと思ったのが最初の感想です。

図1 ジオスゲニンの主な国内での研究領域
立命館大学スポーツ健康科学部での研究を参考に図式化
桑原 僕の場合は、筋肉に対する反応をダイレクトに感じました。ジオスゲニンを飲み始めてから「若い頃はこんな感じだったな」と思い出すことが増えたような気がします。
加齢とともに性ホルモンが減少していくのは仕方のないことなので、その減少にどのように対応していくかが大事です。性ホルモンの材料はコレステロールですが、残念なことに、コレステロールを摂取すれば性ホルモンが増えるという単純な関係ではありません。
では、何が増えれば確実にテストステロンが増えるのか。それはDHEAという物質なんです。ところがDHEAはドーピングの禁止薬物に指定されているので、競技者の場合はそのまま摂取することはできません。また未認可の医薬品という点も気になります。そこで伴となるのがジオスゲニンです。DHEAの構造と少しだけ異なる部分がありますが、身体の中に入ってから、DHEAと似たような働きをするようです。
人によって得られる反応はさまざまですが、総じてポジティブなものが多いですね(図2)。良く眠れる、疲れない、トレーニングの強度が上がったなどいろいろです。こういった良い効能があるのは、身体の中で不足していたDHEAが充足されたことによるのではないかと思います。

図2 ジオスゲニンの体感例
※個人の感想の例示であり、効果を保証するものではありません
関口 世の中にはいろいろなサプリメントがありますが、正直、飲んですぐに大きな体感があるものって少ないじゃないですか。ところがジオスゲニンにはそれがあったので「すごいな」と思っています。性ホルモンを増やすとされるハーブや亜鉛などのサプリメントもありますが、私の中では、ジオスゲニンはそういったものとはまた違うカテゴリーに入る成分なのかなと感じています。
桑原 先ほども言ったように、ジオスゲニンはDHEAに構造が非常に良く似ていますが、DHEAそのものではないんです(図3)。当然、ドーピングの対象外となります。競技の公平性という意味はもちろんですが、健康上の害がないという点でも非常に評価できると思います。こういった観点では、競技者以外で、僕のように高齢者に差し掛かったような人にも勧められますね。
僕自身は、55歳からアンチエイジングを意識し始めてそれなりの取り組みをしているのですが、ジオスゲニンで最後のピースが埋まったような感じがありますね。

図3 ジオスゲニンと他成分との比較表
関口 桑原さんにお会いしたのは半年ぶりくらいなんですけど、半年前よりバルクアップしてますよね。やっぱりジオスゲニンは筋肥大にも効果があるかもしれないです。
桑原 理論上は年齢が上がっても筋肉は増えるとされていますが、実際のところは現状維持か微増がやっとです。ところが、ジオスゲニンを取るようになってから、インボディで測定した筋肉量がちょっと小躍りしたくなるくらい増えてるんですよ。
僕のような初老でDHEA量が不足するのはよくあることなのですが、実はアスリートでも数値が低くなっていることがあるみたいです。特に持久系の競技をやっている場合と、減量をしている場合には顕著にDHEAが足りなくなっているそうです。DHEAが少なければ最終的な性ホルモンの量も少なくなるので、ジオスゲニンの効果が期待できるポイントになりますね。

関口 私も最近トレーニングの調子がすごく良く、もしかしたらこれもジオスゲニンのおかげなんじゃないかと思っていたところです。
ここまでは男性に効果がありそうな話題が多かったですが、性ホルモンに関係するという観点だと、女性ホルモンはどうなんでしょうか。
桑原 DHEAから次の物質に変わるまでにはいろいろな経路があります。男性ホルモンであるテストステロンが作られる経路があれば、女性ホルモンのエストロゲンができる経路もあります。不足する性ホルモンを補うという意味では、ジオスゲニンのサプリメントは女性にも勧められるのではないかと思います。
関口さんはトレーニング指導をなさっていますが、クライアントの要望はどんな感じなんですか。
関口 もちろん競技者も指導するのですが、健康に過ごしていくためにトレーニングをしたいという方も多いです。そういった競技者以外の方にも、ジオスゲニンは勧められるかなと今回の対談で思いました。
一方で、私自身はマスターズのメンズフィジーク競技でもう一花咲かせたいと思っています。年齢を重ねるにつれて、年々仕上がり体重が軽くなったり、トレーニングをしてもパンプしなくなったりということを経験してきました。ジオスゲニンを今後も取り続けていく中で課題を解決し、ある種のロールモデルとして、ジオスゲニンの良さを体現していければ良いなと思っています。
桑原 食事や生活習慣を意識しても、加齢による性ホルモンの減少にはどうしても抗えないです。それに対して、飲むだけで解決できる可能性のあるジオスゲニンは、非常に有望な成分と言えるのではないでしょうか。

くわばら・ひろき
立教大学卒業後、江崎グリコに入社。スポーツサプリメント事業を立ち上げ、スポーツフーズ営業部長などを歴任し、現在はアドバイザー。桑原塾を主宰し、100人以上のトップアスリートのコンディショニング指導も行っている。NESTA JAPANのプログラム開発担当も務める。
せきぐち・たかお
1975年3月23日 生 ま れ。千葉県出身。フィットネス運営会社役員。身長171cm、体重71㎏(オン)、80kg(オフ)。2022・2023年オールジャパンマスターズメンズフィジーク40歳 以 上172㎝ 以下級優勝。2023年アーノルドクラシックヨーロッパ メンズフィジーク45~49歳級優勝。











