トレーニー コンテスト

35歳が「引きあがったヒップ」でビキニ優勝  「ヒップはかなり上がったけど、まだまだボリュームが足りない」と飽くなき探求心

2025年5月10日、千葉市文化センターで開催された『INBA INTERNATIONAL ASIA PACIFIC CHAMPIONSHIPS』。ビキニオープンカテゴリーで優勝し、見事プロカードを獲得したのは、35歳のトレーナー足立理予(あだち・りよ)さんだった。5年ぶりのコンテスト出場。それは、単なる競技復帰ではなく、人生の大きな節目となる挑戦だった。

【写真】足立理予さんの引き上がったヒップ

「筋トレを始めたきっかけは、若いころに離婚して、“元夫を見返したい”という気持ちからでした」

そう語る足立さんは、その思いをエネルギーに変え、今ではトレーナーとして活動する傍ら、フィットネス団体の審査員やポージング講師としても活躍している。

再婚し出産を経て、今回の大会が5年ぶりの舞台。復帰戦には、小さな息子が観客席から声援を送っていた。

「初めて私のコンテストを見た息子が、笑顔で応援してくれていて……ステージ上で泣きそうになりました。普段とは違う“かっこいいママ”を見せられたかなと思います」

1月末からの短期集中で9kg減のダイエットを成功させた裏には、母としての強い意志があった。

「朝5時に起きて、犬の散歩をしてからジムへ。子どもが起きる前にトレーニングを終えて朝食を作り、幼稚園に送ってから仕事。夜は家で過ごすというリズムを徹底しました」

育児と仕事を両立しながら迎えた本番。産後の身体の変化にも、彼女は正面から向き合った。

「お尻は垂れるし、黒ずみもあって“もう戻らないかも”と思っていた。でも、トレーニングを続けたら引き上がって、黒ずみも薄くなって。正直、自分でも驚いています」

今回の勝利でプロへと昇格した足立さんは、今後さらに上を目指している。

「ヒップはかなり上がったけど、まだまだボリュームが足りない。これから1年かけて、また一から身体を作り直します」

産後というハンデを乗り越え、見事な仕上がりで頂点に立った足立さん。その姿は、ただの“ビフォーアフター”ではない。自分を変え、環境を変え、人生を切り開く力を体現していた。

「どんなに忙しくても、少しの時間を積み重ねれば、身体も心も変われるって証明したかった」

母であり、一人のアスリートでもある足立理予さん。足立さんの挑戦は、同じように葛藤を抱える多くの女性たちに、確かな希望を与えている。

【INBA JAPANのアンチドーピング活動】

出場選手はアンチドーピング講習会を受けることを必須とし、大会当日、指名された選手は尿検査を受けなければならない。

次ページ:足立理予さんの引き上がったヒップ

文・撮影:FITNESS LOVE編集部

-トレーニー, コンテスト
-

次のページへ >


おすすめトピック



佐藤奈々子選手
佐藤奈々子選手