「8年前は、体脂肪率40%の肥満体だった」と話す片岡彩香(かたおか・あやか/34)選手は、昨年の『オールジャパン・ウェルネスチャンピオンシップス2024』において、日本3位を獲得した注目の選手だ。JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のウェルネスカテゴリーで活躍する片岡選手に、トレーニングを始めた経緯や日々のトレーニングについてお話を伺った。
2021年にビキニ選手としてデビューを果たした片岡選手は、ダイエット目的でトレーニングと出会った。
「8年前の私は今より体重が20kgほど多く、脂肪もたっぷりな身体でした。身長が168.5cmあるとはいえ、ちょっと重いかな?と感じて2017年からトレーニングを開始。ダイエットの始め方が分からなかったので、パーソナルトレーニングジムに半年通いました。糖質制限の成果もあり、20kgの減量に成功!パーソナルトレーニングジム卒業後も、ゆるく糖質制限を続けていたのですが、『目標がないこのままだと、いずれリバウンドしてしまうのでは!?』と心配をしていました。そんなときに出会ったのが、ボディコンテストという目標です」
いつしかトレーニングが好きになり、トレーニングジムでバイトを始めることにした片岡選手。そこでボディコンテストの存在を知り、大会出場という目標ができた。
「パーソナルトレーニングジムでトレーニングの方法を学んだ後は、24時間ジムに通い、自分で鍛えていました。トレーニングを続けているうちに楽しくなってきて『もっとトレーニングの勉強がしたい!トレーニングを身近に感じていたい!』と思うようになり、トレーニングジムでバイトを始めたのです。そこで知り合ったスタッフさんが、ボディコンテストに出場する選手さんでした。出場を勧められ『やってみようかな?』と思ったのが、大会出場のきっかけです」
ビキニ選手よりも筋肉量を要求されるウェルネス選手に転向した片岡選手は、ウェルネスの舞台に立つためにトレーニング方法を見直したという。
「トレーニングは週に4~5回、2~3時間行っています。ウェルネスは脚の強さに重きを置いているので、スクワットを含めた脚のトレーニング頻度を増やしました。ビキニ選手時代は、脚・お尻というざっくりとした分け方でしたが、現在は大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングの内側・外側、大殿筋の上部・中部・下部、中殿筋の前部・後部など、細かく分けて鍛えています。脚のトレーニングをやりすぎた結果、疲労が抜けずに困っていたのですが、コンディショニングボールをお尻の部分に敷いて転がしていたところ、だいぶ疲労が軽くなりました。今は毎日、寝る前にコロコロとケアしています」
「ウェルネスはまだ始まったばかりのカテゴリーなので、正解がまだ分かりません。しかし、私にはそれがむしろ面白いと思っています。自分たちでウェルネスカテゴリーのカラーを作っていける楽しみがあると思うのです。これからは、上半身・下半身ともに筋量を増やすことはもちろん、身長が高いがゆえに縦に細く見えるため、横に太く見える身体を作ること、ウェルネスらしい丸みを残しながら絞ることを念頭にトレーニングを続けます。今後はスポルテック、オールジャパンのウェルネスでメダルを獲得し、日本代表になりたいです。ウェルネスの女王を目指したいですね!」
2024年からJBBFに登場した新カテゴリーのウェルネスは、上半身よりも殿部・大腿部など下半身の発達が評価されるカテゴリーだ。ダイエット目的からパーソナルトレーニングジムに通い筋トレを始めた片岡選手は、リバウンド防止のためコンテスト出場という目標を据え、ビキニ選手を経てより筋量を求められるウェルネス選手となった。現在、片岡選手はパーソナルトレーナーとして働いている。トレーニングと出会い、人生が変わった片岡選手の今後の活躍に目が離せない。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピング講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:山口夏織 撮影:中島康介
フィットネスからグルメ&レジャー、経済紙まで様々なジャンルで執筆&撮影を行う、歌う筋肉クリエイター。自身もボディコンテストへの参加経験があり、日々鍛えている。どちらかといえば猫派、某チョコはきのこ派。
-JBBF選手, コンテスト
-JBBF, オールジャパンウェルネス