「ラーメン、毎日食べてました。気づけば体重も増えてきて、痛風になりかけに…。さすがにヤバいと思って、ジムに入会しました」
そう語るのは、准看護師として働く石田大和(いしだ・やまと/25)さん。『マッスルゲート大阪』のボディビル新人の部に初挑戦し、いきなり2位入賞という成績を収めた新鋭だ。
【写真】石田大和さんのパワーリフティングとボディビルで作った屈強な肉体
元々はパワーリフティング競技で実績を持つ石田さん。ジャパンクラシックパワーのジュニア74kg級や全日本ベンチプレス74kg級に出場経験があり、スクワット185kg、ベンチプレス120kg、デッドリフト215kg、トータル520kgという記録を持っている。
パワーリフティングからボディビルディングへの転身
「もともと大きな身体に憧れがあり、パワー競技を頑張れば自然と身体が大きくなると思ってたんですが、なかなか変わらなくて。ボディビルダーのような追い込みのトレーニングにも引かれていたし、1回ちゃんと出てみようと思ったんです」
日勤・夜勤が入り混じる医療現場での仕事。そんな中でも、石田さんは「週6日、最低でも週5日は筋トレします」という。
「忙しい日は昼休みにジム行ってました。朝早く起きて行く日もありましたね」
特に本格的にボディビル転向を決めた時期には、1年間ほぼ毎日、1回のトレーニングで40~50セットをやり込み、大きな身体の変化を感じたという。
「得意だと思っていた部位でも、やり方によっては意外と弱点だと気づきました。お尻やもも裏も、ダイエットして絞ったときに『あれ?筋肉が見えない?』みたいな(笑)。力の入れ方ひとつで見え方も変わるので、そういう発見があるから楽しいです」
トレーニングと並んで重要なのが食事管理。筋トレを始める前は毎日ラーメン生活で痛風になりかけた石田さんだったが、減量期は「なるべく美味しいものを食べる」にこだわり、自炊を徹底していた。
「鶏もも肉、大葉、えのきで炒めてポン酢で食べたり。最後の方は胸肉に切り替えましたけど、味付けはずっと工夫してました。お米と肉は欠かさず、朝はサバ缶で脂質を摂ってました」
たまに食べすぎたときは、数日かけてカロリー調整。お酒も大会の週まではやめずに「飲みつつ減量してました」と笑う。
石田さんが最後に伝えてくれたのは、筋トレへの愛そのものだった。
「時間がないからできないってよく言いますが、筋トレが好きになったら、他の時間を削ってでもやりたくなる。僕は筋トレにハマってよかったです。筋トレサイコー!!」
仕事、トレーニング、自炊、そして大会挑戦―どれも簡単ではない。でも、好きという情熱さえあれば、とことん頑張れるのだろう。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
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取材:柳瀬康宏 撮影:上村倫代
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。