サマスタ選手 コンテスト

36歳・2児の母が作った「腰高で丸いヒップ」 もともとは「四角くて薄い」お尻がコンプレックス 家事と育児の合間を縫いトレーニング

2児の母であり、パーソナルトレーナーとして活躍する飛田麻未(とびた・まみ/36)さんは、産後の体型崩れの脱却のためにボディメイクの世界に飛び込んだ。現在はサマースタイルアワードのプロ選手として活躍し、その高くて丸いヒップは“好成績獲得の決め手”と言われるが、元々は一番コンプレックスを持っていた部位だったという。

【写真】飛田麻未さんの腰高で丸いヒップ

「脚が太く、お尻が薄くて四角い。それが長年の悩みでした。トレーニングを始めてからも、たとえばヒップスラストでは膝に痛みが出て大腿四頭筋ばかりに効き、殿筋が思うように発達しませんでした」

育児と仕事の合間を縫い、週4日、1日平均1時間半、時にはわずか15分という限られた時間しかトレーニング時間はとれない。そこで飛田さんは方針を転換した。「がむしゃらにやる」から「なぜ上手くいかないのか原因を突き詰める」ことへ力を注いだ。

「様々な疑問が、解剖学やコンディショニングの学びへとつながりました。ヒップスラストの件から、殿筋の発達には仙骨の可動性や足裏の重心が深く関わることを知りました。そこでフォームローラーやテニスボールで仙骨をほぐし、足指と足首の柔軟性を高めるコンディショニングを始めました」

短いトレーニング時間では全てを補うのが難しいことから、日常生活にも工夫を凝らした。

「入浴中に足指のストレッチを行い、靴下を履かずに過ごす時間を増やすことで足の可動域を維持できるようになりました。身体の仕組みを理解して整える習慣をつけてから、下半身の歪みが改善されてお尻が強みに変わっていきました」

お尻の形の悩みによって、取り組むべき課題も違うと飛田さんは言う。

「ボリュームのない『扁平型のお尻』は、単純に筋量がないためコンディショニングよりもトレーニングに力を注いだ方がよく、『垂れたお尻』は下から引き上げる土台が弱くなっているため腿裏や内腿、足裏のコンディショニングが必要になってきます。『ピーマン型のお尻』はお尻の硬さが問題となっているため、仙骨や中殿筋をほぐして形を整えます」

培った知識は自身のボディメイクだけでなく、こうしてパーソナルトレーニングのためにも惜しみなく注がれている。

「私自身も、理想の身体はまだまだ遠いと感じ、課題は次々に湧いてきます。でも、一つひとつ向き合ってクリアしていきたいです」

飛田さんの指導方針は『まず自分が一番の実践者であれ』。クライアントに指導する以上、自身が最高のモデルでなければならないという信念だ。

「毎年、大会シーズンが終わる前には次に解決するべき課題が明確になっているように努めています。やりたいことではなく、やるべきことを着実に積み重ねる。それが私を成長させてくれている鍵だと思います」

競技者として、トレーナーとして、明確に目標を見据えて成長を遂げていく飛田さんの躍進が今年も期待される。

飛田麻未さん

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材:にしかわ花 撮影:舟橋賢

執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。

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