ベストボディ選手 コンテスト

51歳・ジム社長が「30代に間違われる」ほどの若々しいボディで日本2位 脳腫瘍手術を機に筋トレ開始、医師も驚く回復を見せる

「『えっ、30代かと思った!』そう声をかけられて、思わず笑ってしまいました。実は孫が2人いるんです」

そう語るのは、『ベストボディ・ジャパン2024年日本大会』クイーンクラス準グランプリの千原真美子(ちはら・まみこ/51)さんだ。ジム運営をする会社の社長でありながら、NPO法人の部長としても働き、さらにボディコンテストで好成績を残すほどのエネルギッシュでパワフルな選手だ。だが、その背景には意外な過去があった。

【写真】千原真美子さんの健康的なメリハリボディ

「生きる力が欲しかった」脳腫瘍の手術が転機に

6年前、千原さんは脳腫瘍の手術と放射線治療を経験した。命と向き合う日々の中で、「ただ生きるだけじゃなく、前向きに生きたい」と心から思った。そこで出会ったのが筋トレだった。

「なんとかして改善していきたいと思って運動をするようにしました。運動と食事を整えていくうちに、心が明るくなっていったんです。あるときに定期検診で『腫瘍が小さくなってる』って言われて、もう本当にうれしかったです!今では、医師も驚くほど完治に近い状態になりました」

次第に身体を鍛えること自体が、千原さんにとって生きる目標になった。筋肉をつけて鏡に映る自分の姿の変化を見ることは、見た目だけでなく心の支えにもなっていったという。治療も順調に進み、「せっかくだから何か新しいことに挑戦したい!自分の限界に挑んでみたい!」と思い、ボディコンテスト出場を決めた。

「初めて腹筋にうっすら線が浮かんだとき、『私も頑張ったらまだまだ変われるんだ』って泣きそうになりました。すべてが報われた気がしたんです。身体の変化以外にも、心の在り方も変わりました。気持ちが前向きになって、自然と健康的な人が集まってくるようになったんです。実は家族もみんなトレーニーなんです。応援してくれる仲間がいて、うれしいですね」

多忙な日々を送りながらも、千原さんは筋トレという「自分の時間」を毎日確保している。朝は必ず傾斜15%のトレッドミルで30分のウォーキング。時速は3.6~4.2kmに設定し、心拍数は120~130台をキープ。脂肪燃焼と心肺機能の向上に最適な強度を選んでいる。夕方には、会社に併設されたトレーニングジムで筋トレ。特にお尻をしっかり鍛えているそうだ。

「朝から汗をかくと、1日がポジティブに始まるんです。短時間でも集中すれば結果は出ます。スケジュールは週単位で調整しています」

食事は高たんぱく・低脂質・バランス重視がモットー。コンビニ食はほとんど使わず、全て自炊。特におすすめなのが、自家製の塩麹に漬けた鶏むね肉だと言う。

「米麹は沖縄のミネラル豊富な塩を使っていて、すごく柔らかく仕上がるんです。一口大に切って、半日漬けて、フライパンで弱火調理。もしくはサランラップで巻いて熱湯調理。シンプルだけど、毎日飽きずに食べられますよ」

朝食は白米、卵、焼き魚、納豆。昼は鶏むね肉と野菜、夜は魚や赤身肉中心。減量中はブロッコリーとゆで卵で満腹感を出す工夫もしている。

『ベストボディ・ジャパン』には2022年から出場し、すでに12回のコンテストを経験。今年は日本一を本気で狙っている。

「挑戦することが好きなんですよね。周囲を驚かせたいっていう気持ちもあって。本当に始めるのに年齢は関係ないって思いますね。『30代かと思った』って言われたときはうれしさと恥ずかしさで、笑ってしまいましたけど(笑)。自分と向き合う時間が、人生を豊かにしてくれるのかなって思います。続けることを大切に、自分のスタイルで、楽しんでいきたいです!」

千原さんが経営しているジムの名前は『ナルシストフィットネスジム』。名前の由来は、『トレーニングを通して、自分の心と身体に自信を持ち、鏡に映る自分を好きになってほしい』だそうだ。

『前向きなナルシズム』なフィットネスは、自分の身体を変えるだけでなく、気持ちのあり方を変えて自分自身を好きになるきっかけを与えてくれるかもしれない。

千原真美子さん

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取材:柳瀬康宏 写真提供:千原真美子

執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。

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