「まさか自分が『スタイルいいね』って言われる日が来るとは、想像もしていませんでした」
そう話すのは、4月19日(土)に開催された『サマースタイルアワード スプリングカップ』ビューティーフィットネスモデルショート部門で優勝を果たした鈴木晴干(すずき・はれやか/30)さん。エステティシャンとして働くかたわら、パーソナルトレーナーとしても活動を広げている。
「元々は今より15kgも重い、いわゆるぽっちゃり体型でした。身長151.5㎝でだいたい60kgほどあったのですが、当時は自分に自信もなかったし、カメラを向けられても自然と後ろに隠れるようなタイプでした」
転機は、友人の結婚式だった。ドレスをきれいに着こなしたい一心で、糖質制限に挑戦。ご飯もパンもカットし、1年かけて15kgの減量に成功した。「最初は辛かったけど、数字が落ちてくるとうれしくて、続けられたんです」と語る鈴木さんは、「細くなったね!」「うらやましい!」と言われることが増えて、周囲の反応もガラリと変わったという。周りの変化に伴い、鈴木さんの中で自信が生まれてきた。
「私が変われたんだから、同じように悩んでる人の力にもなれるかもしれない。働いてるエステの認知度にも貢献できるかと思い、ボディコンテスト出場を決めました。自分の身体で伝えられることがあると思ったんです」
トレーニングはまったくの未経験だったが、挑戦を決めたときから本格的にスタート。2023年にサマスタ初出場し、2025年には見事、同大会で優勝を果たした。
ただエステの仕事は想像以上にハード。「長時間の立ち仕事で、予定していたトレーニングができないことも結構ありました。そんな日は、思い切って休むようにしてます。疲れてると集中できないし、休むのもトレーニングのうちって自分に言い聞かせていました」と気持ちの切り替えの大切さを語る。
これまでは糖質制限だったボディメイクだが、さらに筋肉量を増やしてメリハリのある身体を目指すために、食事内容も大きく変えた。
「今はサイズアップが目的なので、しっかりお米も食べてます。ただ、腸内環境は崩したくないので、発酵食品や納豆、キムチはよく食べます。小麦や添加物はなるべく控えてますね。元々はよく食べる方なので、体重の目標を達成したらお寿司なら30皿、60貫くらいを自分へのご褒美として食べちゃいます(笑)。他には、タンパク源として鶏や豚肉を野菜と炒めたものや茹でたもの、ブロッコリーなどの温野菜、週2回の魚(焼き魚や刺身)、間食はナッツやプロテインバーを活用しています」
「振り返ると、最初はただのダイエットのつもりだったのに、まさかボディコンテストに出場して、トレーナーにもなるなんて信じられませんね(笑)。人生って、ほんとに何が起こるかわからないです。女性として生まれたからには、美しさをもっと自由に楽しんでほしいって思います。私自身、体型が変わったことで人生が180度変わりました。もし今悩んでいる方がいたら、どうかあきらめないでください」
カメラを向けられても自然と後ろに隠れるようなタイプだった鈴木さんが、ステージで多くの観客の前でポージングするようになった。「変わりたい」と思ったその日が、人生の分岐点になるかもしれない。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:柳瀬康宏 写真提供:鈴木晴干
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。NSCA認定パーソナルトレーナー,ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、NASM認定コレクティブエクササイズスペシャリスト。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年より毎年ボディコンテストに出場中。
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