日勤2日が終わったら夜勤2日、そして4連休。さらに1日12時間勤務というハードな仕事に従事していながら、芸術的な絞りを誇るサマスタプロの富樫吏輝選手。不規則な勤務体系でも、減量を成功させるコツはどこにあるのだろう。
12時間勤務でも絞るために──。
1日白米4~5合、食事量は減らさない
減量中でも増えていくもの
日勤と夜勤が混じった勤務体系かつ、拘束時間の長い仕事に従事しているので〝しっかり食べて、動いて落とす〞ことを中心に減量を進めています。夜勤と夜勤の間は確実にトレーニングオフ。夜勤明けの疲れは、日勤終わりのときの疲れと質がまったく違うので、ここは休養優先です。
減量期に入ってもトレーニングボリュームは変えません。むしろ、減量の後半になるほど増えていきますね。扱う重量もほとんど変わりませんが、レップ数が少なくなるので1種目あたりのセット数を増やしてトータルのレップ数を重ねていく、というスタイルです。
例えば、2回挙がっていたベンチプレス125㎏が減量末期になると1回しか挙がらない。こうなると重量をどんどん下げてセット数と回数を積み上げ、ボリュームを調整するということです。なので、5セットしていた種目が10セットぐらいになりますね。その分、やる種目数は少なくなります。
ご飯は1日4〜5合で
過去に、食事を減らしすぎると、脂肪と共に筋量も落ちていった年がありました。そのため、一昨年の減量以降は〝しっかり食べる〞を軸に減量しています。全体的な食事量のことではなく、ご飯の量を変えないことが僕の減量法です。
具体的な進め方としては、まず増量期のトレーニングボリュームのまま減量に入り、トレーニング後に20分程度の有酸素運動を入れます。これを続けて、減量が停滞し始めたら朝に30分程度の有酸素運動を足す。こういった追加方式で運動量を増やしています。
普段の勤務に加えて有酸素を入れると、疲労が溜まりやすいイメージがあるかもしれません。ですが、食べないと身体に入ってくる栄養の量が少ないので、リカバリーが追いついていない感覚が僕の場合はありました。だから、身体が機能する量のご飯をしっかり食べるようにしているんです。
実は、細かなカロリー計算をほとんどしていません。増量期はご飯を1日4〜5合食べているのですが、基本的には減量期でも同じ量を食べています。本当の末期でも1日2合は食べていますね。
去年の減量幅は15㎏でした。結構増減があるのですが、身体がきちんと機能するご飯の量を死守しているので、運動量を増やしても身体は動くし回復もしています。食事が遅くなればなるほど減量しにくくなるので、朝はしっかりご飯を食べてトレーニング。終わったら昼食、夕方の炭水化物量を少なくするのが僕の減量における黄金パターンです。
狂いがちな体調をリセット
減量中、大事にしているものとして〝日光浴〞と〝腸内環境〞があります。日光浴をすると幸せホルモンのセロトニンが分泌されると知ってから、取り入れるようになりました。ベランダで日光浴しながらコーヒーを飲んだり、ぼーっとしたりして。夜勤をしていると、体内時計が乱れやすいですし、気持ちが沈むことがあるんです。そうなる前に、太陽の光で体内時計をリセットし、身体も気持ちもリフレッシュさせる目的でしています。
また、腸内環境を整えるために発酵食品をしっかり取ります。りんごは毎朝絶対に食べていましたね。腸内環境を整えてくれる食材の情報源はSNSです。記事を読んでみて良さそうだと思ったら、まずは1カ月程度、試してみる。実際に良かったら継続しますし、自分に合わなければ省きます。
そのため、サプリメントも含めるとこれまでかなりの数を試してきましたし、そのときの自分に合うものを柔軟に摂取するようにしています。〝食べながら落とす〞ためには、身体の内側から整えていくのも大切な要素ですから。
とがし・りき
1997年7月2日生まれ、山形県出身、身長172cm、体重(オン)61㎏、(オフ)73㎏、SUMMERSTYLEAWARD(以下SSA)2023JAPANPROGRANDPRIXSportsmodel部門middle2位、SSA2024JAPANPROGRANDPRIXSportsmodelOVERALLCHAMPION。減量中のご褒美はサウナ
取材・文:小笠拡子 撮影:AkihiroTokiyoshi[aio]、夏目英明(プロフィール写真) Web構成:中村聡美