サマスタ選手 コンテスト

高身長176.5㎝・2児の母が作り上げた脚線美は「神からの約束」 フルタイムの事務職と育児、筋トレを両立

「コンテストに出る前は、20代の若い選手と競うことにためらいもありました。でも、トレーニング初日に『大会で優勝したい』とトレーナーに宣言して、ひたすら頑張ってきました。その結果、評価をいただけて本当にうれしいです」

【写真】“異次元スタイル”粕谷瞳さんの脚線美

フルタイムの事務職とシングルマザーとして二人の子育てを両立しながら、2024年のボディコンテスト『サマースタイルアワード』で目覚ましい快進撃を見せた新星、粕谷瞳(かすや・ひとみ/36)さん。

身長176.5cmの長身を生かした、しなやかで華のあるプロポーション。出場初年度で地方ブロック戦の総合優勝、プロ契約選手のみ選抜される全国大会で7位まで上り(※)、「スター級の逸材」とコンテスト主催者である金子賢氏からも太鼓判を押される注目選手が、遅咲きのステージに立つまでの軌跡を追った。

(※)2024年度戦績: SUMMER STYLE AWARD 2024で関東新人類Beauty Fitness Model部門優勝、東日本ROOKIE CHALLENGE CUP同部門優勝、関東予選総合優勝、JAPAN PRO CHAMPIONSHIP7位

子育てと向き合った20代、芽生えた「自分の世界」への思い

「スポットライトを浴び、努力で磨き上げた身体を披露する瞬間は、『自分を最大限に生かせる場所を見つけた』と実感する時間です」

子どものころから目立つことが大好きだった粕谷さん。小学校や中学校では応援団長を務め、ギャル雑誌のスナップに登場するなど、自己表現の場を積極的に楽しんできた。水泳、ダンス、バスケットボールなどスポーツも生活の一部だったが、18歳で第一子、21歳で第二子を出産し、子育てが人生の中心となった。

「周りの友人が大学や仕事を謳歌するなか、私は子育てに専念していました。子どもたちはかけがけのない存在で、とても充実していましたが、どこかで『もう一度、自分の世界を持ちたい』という思いが芽生えていました」

転機は、子育てが落ち着いたころにダンスの先生からかけられた言葉だった。

「『あなたの体格は、きっと神様からの約束を授かっているよ』と言われたんです。それで、自分の長身や体格を生かせる場所を見つけたいと決意しました」

そうして飛び込んだのが、ボディコンテストの世界だった。

限られた時間で身体を劇的変化、「筋トレ好き」で息子との新たな絆も

トレーニングを始めた当初、体重は50kgと痩せ型で、凹凸がほとんどなかったという。その身体の薄さについて、「あまりのお尻のなさに背中から直接脚が生えているようだった」と粕谷さんは笑う。

「短期間での成長につながったのは、自己流で取り組むのではなく、パーソナルトレーナーの指導のもとで大会で勝つという目的を明確にし、栄養とトレーニングも基礎からきちんと学んだことが大きいと思います」

また、長年の趣味であったホットヨガ経験による柔軟性も、トレーニングの質や筋肉のバランス造形を支えた。ボディメイクにおいてなにより困難だったのは、時間の確保だ。

「フルタイムの仕事とワンオペでの子育てをしながらで、本当に時間がどれだけあっても足りないです。トレーナーに『トレーニングより寝なさい』と言われるほど毎日が睡眠不足でした」

たまの休日の寝溜めはとても重要なケアの時間であり、ストレス解消にもなったという。また、もうひとつ粕谷さんのモチベーションを支えたものがある。

「長男も筋トレが大好きで、一緒にトレーニングしたり、プロポーションを評価し合ったりする時間が楽しいんです。こうした新しい家族との関わり方が築けたことも、ボディメイクを始めてよかったと思えることの大きな一つです」

理想を追い求め、さらなる高みへ

今後の目標は、楽しみながらボディメイクを続け、大会で「前回の自分を越える」ことだ。

「以前は、男性と間違われたこともある肩幅や背中の広さを気にして、『華奢になりたい』と思っていました。でも今は、もっと大きく、存在感のある身体になりたいです。大会を通じて、これからも自分の理想を追い求めていきたいです」

自分を輝かせる場所を見つけられた喜び。何歳になっても、親になっても、自分自身の人生を全力で生きる幸せ。粕谷さんの挑戦は、自分の可能性を信じ、歩み慣れた日常から一歩踏み出す勇気と楽しさを教えてくれる。

粕谷瞳さん

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取材:にしかわ花 撮影:北岡一浩、舟橋賢

執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用。ジュラシックアカデミーとエクサイズでボディメイクに奮闘している。

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