マッスルゲート出場者にアンケートを実施したところ、約200名から寄せられた声。その中でも「やり方が合っているか分からない」という声が多かった上位5種目を東海大学健康学部の有賀誠司教授に解説いただいた。悩める多くのトレーニーを救う、ガイドブックとして参考にしてほしい。
監修:有賀誠司
取材・文:舟橋位於、小笠拡子 撮影:舟橋賢 Web構成:中村聡美
脚や腰に負担をかけすぎない
フル・デッドリフト 40票
寄せられた声
腰を痛めやすくて、脚で挙げている感覚が強い
背中の種目とは思えない
全身に効きすぎて、背中や脊柱起立筋以外の疲労をかなり感じる
脚と殿部に効いている
腰に負担がかかり、意識を筋肉に向けられない
腰が痛くなる
アンケートまとめ
フリーウエイトの王道・BIG3がランクイン。背中の種目として紹介されることが多いが、実際には「脚や殿部に効いてしまう」という声が最も多かった。また、「腰への不安」を抱える人も同数。そもそも「フォーム習得が難しい」という意見も目立った。
正しいフォーム
①脊柱のニュートラルな状態を維持しながらバーベルを握る
②股関節と膝を同時に伸ばしながらバーを挙上する
ココがポイント
動作中はバーベルがすねや大腿部から離れないようにしましょう。また、トップボジションで腰を反らさないことも重要です。
効かせられない原因はココにある!
NG動作と改善のポイント
❶骨盤が後傾し、上半身が丸まってしまう
NGポイント:骨盤が後傾しているため、上半身が丸まった姿勢で挙上することになる
【考えられる影響】
・腰椎に過大な負担がかかりやすい
【改善のために】
・股関節を屈曲させて骨盤を前傾させる技術を習得する
・動作中は腹圧を高い状態に保つことを意識する
❷フィニッシュで腰を反ってあおってしまう
NGポイント:トップポジションで腰を大きく反る動作を行ってしまう
【考えられる影響】
・腰椎が過伸展し、腰部の怪我リスクが高まる
【改善のために】
・ウエイトを挙上し、上体が床と垂直になったところで動作を終了する
改善のためのエクササイズ
【解説】
骨盤前傾がうまくできない要因には、ハムストリングや大殿筋の柔校性や骨盤の可動域不足も考えられる。この場合には、動作の中で徐々に可動域を広げたり、足・つま先の向きを工夫したりすることで改善できるかもしれない
ご協力いただいた学生モデル
- 東海大学ボディビル部・大学院2年次生 沢井大樹
- 東東海大学ボディビル部・大学4年次生 新垣日向
あるが・せいじ
1962年、東京都生まれ。東海大学健康学部教授・大学院健康学科研究科長、日本健康運動指導士会会長、日本トレーニング指導者協会相談役、JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)監事。ボディビル競技では、日本社会人選手権や関東選手権のタイトルを獲得するとともに、1991年と1993年にアジア選手権2位の成績を収めている。
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