「ウェルネスほど自分に合っていて、心が震えるものは他にはない!」
そう語ったのは、SNSなどで”ブラマジ田中”として活動する田中美緒(たなか・みお/30)さん。8月1日(金)、東京ビッグサイトで開催された『SPORTEC CUP2025』ウェルネスカテゴリーに出場し、審査員満票の1位とパーフェクト優勝を成し遂げた。昨年同大会では2位だったこともあり、大会後の投稿では「込み上げてくるものがある」と嬉しさを綴った。
【写真】”脚とウエストが同じ大きさ!?”田中美緒選手の極太脚
田中さんは昨年、このスポルテックカップの後に開催された全国大会・オールジャパンウェルネスに出場。そこで自身の弱点が「上半身のサイズ感」と「お尻・ハムストリング」にあることを痛感した。そこからオフシーズンは、この課題克服をテーマに徹底的に鍛え込みを行ってきたと話す。
また、肋骨が開く癖がポージングの美しさを損なっていると感じ、ドローイングを習慣化。トレーニング中も常に意識を置き、重い重量を扱う際も肋骨が開かないようにフォームや呼吸を細かくコントロールした。その結果、昨年よりウエストを細く見せるシルエットを作り上げることに成功。
トレーニングの内容も大きく見直した。下半身は週3回から週2回に減らし、1回あたりの強度を高めて前側・後側に分けて集中攻撃。一方で上半身は頻度を増やし、全身のバランスを整える方向へシフト。ステージではウェルネス競技特有の迫力ある筋肉と女性らしい曲線美を兼ね備えたパフォーマンスで観客を魅了した。
「優勝は本当にうれしいですが、まだ絞りや筋肉量は足りないと感じています。今年の減量は正直しんどくて、何度もメンタル的に落ちそうになりましたが、勝つと決めていたので耐えました。ステージに立ったときの達成感は、一度味わうと忘れられないんです」
田中さんにとって、ウェルネスは単なる競技ではない。筋肉の強さと女性らしい美しさという、本来両立が難しい要素が融合する唯一無二のステージだという。中でも意識しているのは、同じくトップで活躍する大谷美咲選手。「骨格やタイプは違うけれど、筋肉量の差は実感しています。だからこそ、もっと筋量と厚みをつけたい」と、JBBFウェルネス競技でトップを走る女王について話した。
今後の出場大会については「一旦自分の身体や心と向き合って考えたい」と話す田中選手だが、ウェルネス競技への情熱は揺るがない。「この競技は本当にセクシーで、見ていてもやっていても楽しい。もっと多くの人にその魅力を知ってもらいたいし、自分の身体を通して発信していきたい」と笑顔で話した。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
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取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中原義史