サマスタ選手 コンテスト

54歳、朝4時起きで筋トレする小学校事務員 人間ドックでの肥満判定で筋トレ開始「人は何歳からでも変われる」

小学校の事務職員として働きながら、朝4時起きでトレーニングを続ける山本泉(やまもと・いずみ/54)さんが、8月31日(日)に行われた『サマースタイルアワード(以下サマスタ)京都予選』ウィメンズスポーツモデル部門(※)で優勝、さらにMVPも獲得した。

※全体的な肉体の発達状態、バランスの取れたスタイル、自信に満ちた堂々とした舞台上のパフォーマンスが評価される部門

158cmで49kgの身体からは想像できないほどの筋肉量とパワフルな舞台映えで、観客の目を引きつけた。

【写真】54歳に見えない、山本泉さんのバキバキボディ

山本泉さん

人間ドックから始まったボディメイク

筋トレを始めたのは52歳のとき。きっかけは人間ドックでの指摘だった。

「体重63kg、体脂肪率36〜37%で肥満判定を受けました。そのときはゴールドジムのスタジオメニューで有酸素ばかりしていました」

※体脂肪率は市販の体組成計で測定

2024年にはジム主催の『体脂肪減少チャレンジ』にエントリー。筋肉量を落とさずに脂肪だけを約8kg減らし、周囲から「体型がすごく変わったね」と声をかけられるようになった。そこから本格的に筋トレにのめり込み、わずか1年で『サマースタイルアワード新人類』に初出場。

「最初の大会は何も分からず緊張しました。でも、この年齢でも挑戦できることや、新しい仲間と出会えることがすごく楽しかったです」

ビキニからウィメンズスポーツモデルへ

初めて挑戦したのは全体的に丸みがあるアウトライン、 トレーニングしたうえでのバランスのとれたスタイルが評価されるビキニ(ベティ)部門。だが大会を重ねるうちに『筋肉量が多くて身体が大きい』という自身の特徴に気づいた。ポージング指導者の勧めもあり、ウィメンズスポーツモデル部門に挑戦。2024年10月の関西大会で優勝し、同年12月のファイナルでは2位に輝いた。

「ビキニの華奢できれいな身体に憧れていたので、スポーツモデルが自分に合っていると知ったときは複雑でした。でもパーソナルを受け始めてからは、少しずつ自分の身体が『かっこいい』と評価されるようになって、自信につながりました」

普段は公務員としてフルタイム勤務。家事との両立もあり、夜にトレーニング時間を取るのは難しい。そこで山本さんが選んだのは朝トレだった。

「朝4時に起きて、5時にはジムに行きます。6時半までトレーニングしてから出勤するんです。予定通りにできないとソワソワするので、朝にやっておくと心が落ち着きます」

夜はなるべく早く帰宅して家のことを済ませ、就寝時間を前倒しすることでこの生活リズムを続けている。トレーニング歴が浅いころはスクワットばかりで脚トレが得意だったが、次第に背中や肩への意識が高まった。

「肩を動かす感覚が分かるようになってきたけど、同時に苦手意識もあります。内旋したり力んだりしやすいので、ストレッチポールでほぐすようにしています」

狙った部位に効かせること、作業にならないよう丁寧に行うことがこだわりだという。

「以前は、大きいだけで、きれいでもカッコよくもなかった。それが自分でもイヤでした。でも最近は大会でも評価されて、自分でも少しずつ自信が持てるようになりました。私は50歳を過ぎてから筋トレを始めました。人は何歳からでも変わります。『どうせ無理』と思う前に、一度やってみてほしい。年齢に関係なく身体は変わります」

山本泉さん

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない

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取材・文:柳瀬康宏 撮影:岡暁

執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。

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