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大久保恵介の場合【ファイナリストの壁を超えるためのカギQ&A】

近年、メキメキと頭角を表す期待の星たち。昨年から今年にかけて、「ファイナリスト」という壁を越えるために、 どんなことをしてきたのだろう。彼らの戦術の中に、「成長の秘密」が見えるかもしれない

取材・文:小笠拡子 Web構成:中村聡美

壁を超えるためのカギ
筋トレの追い込み、休みをとること、筋トレ中の音楽なし!
大久保恵介 2025年日本クラス別85kg以下級2位

撮影:中島康介

Q.課題に感じていたことは?

調整方法
昨年の日本クラス別は78 ~ 79kgで仕上がるかな、と思っていたら(100%の仕上がりでないにしろ)実際は83kgあたりで……。80kg以下のリミットに合わせるため、最後は無茶な減量をしました。パーソナルのお客様には到底お勧めできない内容で、なんとか79.9kgにして大会に臨みました。

Q.自分の身体を最も成長させてくれたのは?

追い込み!
実は、奥さんがたまに補助をしてくれるようになって、限界値が引き伸ばされました。補助をさせすぎて、奥さんがバルクアップしないように頑張ろうと思えるというのもあります(笑)。また、筋トレ中に音楽を聞かなくなったことも追い込めるようになった背景の一つ。集中力も高まりますし、呼吸感が自分で聞こえるようになるので、1レップの強度や質が上がった感じがします。

Q.トレーニング面で注力してきたことは?

脚トレを前後に分けたこと
2024年シーズンは脚の日として1日でまとめていたんですが、前の日と裏の日に分けるようにしました。以前は、前もものトレーニングを終わらせた後にハムと殿部をしていたんですが、腰椎分離症も抱えていたので、腰がもたないのと「こなす」トレーニングになっていたんです。これまで殿部とハムで1種類ずつしかできなかったのが、今シーズンは殿部で3 ~4種目、ハムで2 ~ 3種目に。今までやっていなかった分、目に見えて分かるぐらいお尻の形は変わったと思います。

Q.食事面で変えたことは?

あえて徹底しなかった!
昨年のオフシーズンは減量食の量を増やすだけ、というかなり徹底した食事でしたが、今年はそこまで徹底しなかったんです。家族との生活や食事も大切でしたし、外食の回数や脂質の高い食事、クッキーやケーキなどの洋菓子なども気にせず食べました。食事に関しては実験的要素もあったのですが、正直良かったとは言えません。外食をやめても、カロリーを落としてもなかなか体重が落ちず、今年は疲労をみながら有酸素運動も入れました。また、減量期の摂取カロリーも昨年より落とし、2500 ~2800kcalに設定しています。やはり白砂糖は減量において大きく影響することを身をもって体験しました。

Q.そのほか、変えたことや尽力してきたことは?

ケアの種類を増やした
これまでは骨盤職人やフォームローラー、マッサージガンなど指圧タイプのケアをメインに行っていたんですが、今年はモビリティワークも取り入れるようになりました。身体の動きを確かめてから、トレーニングするようにしたんです。完全に腰椎分離症の症状もなくなったし、1年弱ほど続いていた肩の痛みもなくなりました。毎年怪我をしていたので、今シーズンは怪我がなくここまで来られたのは本当に大きいです。また、自分のキャパを過信せず、無茶をしない(笑)。これまではオフのルーティンを崩さないように意識していましたが、まるっと2日間オフを取ったり、粘りたくなっても冷静に判断して粘らないようになったり。疲れていたらきちんと休むようになりました。

Q.一番の強みは?

シルエットが強く、上半身と下半身のバランスが良いところ

おおくぼ・けいすけ
1999年生まれの26歳、神奈川県在住。身長169cm、体重80kg(オン)、92kg(オフ)。現役の住職でありながら、ゴールドジム公認パーソナルトレーナーとしても活動中。今年から「大久保家の日常」というYouTubeチャンネルを始動。主な戦績:2024年JBBF日本クラス別ボディビル選手権80kg以下級6位。2025年JBBF日本クラス別ボディビル選手権85㎏以下級2位

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