9月7日(日)に千葉県・千葉市民会館で開催された『JBBF日本クラス別ボディビル選手権』。体重別・身長別の日本一を決めるこの大会で、男子ボディビル65㎏以下級を下田亮良(しもだ・りょうけん/27)選手が制覇。一昨年2位、昨年3位と優勝まであと一歩のところから、予選と決勝で審査員満票の1位を獲得する完勝となった。
「今回は狙って獲りにいき、その通りに勝てました。うれしさより先に安心した気持ちが大きいです」
今季は減量幅を2~3㎏に抑えたと話す下田選手。オフから“ほぼ減量”に近い食事でコンディションを維持し、筋肉の質感をある程度保ったまま調整を進められた。「精神的にも身体的にもダメージが少ない減量期を過ごせた」と言う。
下田選手自身が分析する勝因は「背面のクオリティ」。言葉の通り、下田選手がバックポーズを取ると客席各所から「お尻ヤバい……」と驚く声が聞こえてきた。昨年2位の神谷勇斗選手や西日本王者の森本功太選手などハイレベルな選手が多い中での審査員票の結果がその凄みを物語っている。
また、今回は食事内容にも変化を加える。例年は卵を積極的に食べていたそうだが、鮭に変更した。
「アーノルドヨーロッパやアジア選手権に出たとき、朝食会場で鮭が出てきたのですが、食べるとめちゃくちゃ身体が張ったんです。なので今季の減量中は毎朝鮭を食べるようにしました。今日はいつものトレーニングでの張りをそのままステージでも出せたような感触です」
鮭やイワシ、ニシンなどに多く含有されるオメガ3は多価不飽和脂肪酸で、血流を改善し、血管内に血塊が生成されるのを抑制。血圧や不整脈の改善、中性脂肪の減少にも効果があるとされている。体脂肪をそぎ落としていくボディビルダーの減量には効果的な食材の一つだろう。
下田選手はこの後、10月の『日本男子ボディビル選手権』へ挑む。目指すは上位12人“ファイナリスト”入りだ。
「昨年や一昨年くらいから、ベテランと新世代の入れ替わりが続いていると思います。どうしても軽量級の選手は重量級の選手に比べてインパクトで埋もれがちですが、背中やディティールで勝負してどこまで通用するか、楽しみです。10月はもっとハードな仕上りで挑みたいと思います!」
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【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中原義史