「私にとってフィットネスは自分を常にアップデートさせ続けてくれるものです。フィットネスが、一人でも多くの方の『身近なもの』になるといいな、と思ってお仕事しています」
9月23日(火・祝)、『マッスルゲート奈良かしはら大会』が奈良県橿原文化会館で開催された。ビキニフィットネスでは、高山裕賀(たかやま・ゆか/39)さんが、一般の部とマスターズの部(35歳以上)で優勝し、2冠を達成した。
20歳から続けてきたトレーニング
高山さんはフィットネスインストラクター。仕事に必要なトレーニングは20歳から続けてきた。学生時代はバレーボールに取り組み、コロナ禍をきっかけにゴルフを始めた。2024年には所属クラブのグランドマンスリー※で優勝したそうだ。
※月例優勝者だけが出場できる年1度の大会
「ボディコンテストの世界に興味はありましたが、きっかけやつながりがありませんでした。『レギンス競技に挑戦してみよう!』と決めたのは、ゴールドジムさんでお仕事をさせていただくようになってからです。でも、昨年の年明けすぐにふくらはぎを部分断裂し、3カ月間松葉杖。さらに回復過程で自転車の事故に遭い骨折、靭帯損傷などで思うようにトレーニングができませんでした」
レギンス競技での悔しさ
怪我を乗り越えて出場した2024年9月、『マッスルゲート奈良大会』ではレギンスフィットネス163cm超級で優勝。マッスルゲートの全国大会にあたる12月の『ゴールドジムジャパンカップ2024』に出場したが、一次予選を通過できなかった。
「ジャパンカップで惨敗し、悔し涙が止まりませんでした。そんな中でも私をずっと支え続けてくださった方へ、元気な姿でステージへ立つこと、結果を出すことで恩返ししていきたいと思いました」
今年はビキニ競技に挑戦「悔しさを塗り替えます!」
レギンス競技についてボディビルダーの井上浩トレーナー(過去17年連続日本クラス別ボディビル選手権優勝)に質問をしたとき、『ビキニを着たらいいのに』と勧められていた高山さんは、今年3月、ビキニフィットネスへ挑戦することを決めた。
「現在は、JBBFグランドチャンピオンシップス3連覇中のフィジーク選手である、伊吹主税さんの元で一から身体を作り直しています。私のなりたい姿を主税さんに伝え、アドバイスをいただいて持ち帰り、コツコツトレーニングを続けています。トレーニングの仕方、身体の使い方の細かい指導全てが刺激的で、新しい自分に出会えることにワクワクしています」
「トレーニングは週4回、約2時間。肩、背中、脚、お尻の4分割で、増量期に扱った重量を減量に入っても変えずに、回数を少なくすることで調整しています。食事については、朝はオートミールプロテインパンケーキにキウイフルーツ、ブラックコーヒー。昼は白米、魚から脂質を取り、野菜多め。間食にさつまいも。夜は生魚・蒸し料理が多く、味付けはほぼポン酢のみ。下半身トレーニングをするときは白米をしっかり食べるようにしています」
今年、ビキニフィットネスで高山さんは大活躍。今大会の2冠をはじめ、『JBBF 関西ビキニフィットネス選手権大会』の年齢別、身長別共に2位、『JBBF大阪ビキニフィトネス選手権大会』の年齢別・身長別共に優勝し2冠を達成した。
「私が今、これだけ競技に対し一生懸命になれているのは、2024年の悔しさがあるからです」と高山さんは言う。
「競技に挑戦して仕事、プライベート、全ての環境が変わりました。私はグループレッスンも担当しているのですが、日々変化する私の姿を見たお客様たちが『トレーニングしてみよう!』と頑張ったり、『私も挑戦してみる!』とうれしいお声が届いたりするようになりました。現場の雰囲気が明るくなり、私も仕事に対してさらに前向きになりました」
「今年、私の姿を見てコンテストへ挑戦されたお2人が優勝しました。大阪から3人でジャパンカップへ行きます。今年はビキニフィットネスで昨年の悔しさを塗り替えます!」
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:あまのともこ 撮影:上村倫代
主に『FITNESS LOVE』で執筆中。自身もボディコンテストに出場している。JBBF京都府オープン大会ビキニフィットネス(身長別)3位。マッスルゲート四国大会ビキニフィットネス2位。