サマスタ選手 コンテスト

51歳のがんサバイバーがコンテスト入賞 「抗がん剤治療中なのでウィッグをつけて出場しました」【筋トレ】

10月5日(日)、埼玉県・坂戸市文化会館ふれあにて『サマースタイルアワード2025 関東予選』が開催され、櫻井紀子(さくらい・のりこ / 51)さんがビキニモデル部門マスターズクラスで2位を獲得した。

【写真】櫻井紀子さんのスタイルの良いハリのある身体

櫻井紀子さん

46歳で筋トレを始めたという櫻井さん。当初は「少し脂肪を落としたい」程度の気持ちであったという。

「昔から太りたくないという気持ちがとても強く、かなり食の細い生活を送っていました。炭水化物は敵だと思っていたので、お米は1日1回食べるかどうか。基本的には野菜中心の生活で、揚げ物は一切口にしませんでしたし、家族で焼肉へ行ってもお肉を1枚食べて終了でした(笑)。でも、食べていない割にお腹は出ていて。もちろんこのような生活を送っていたので代謝は悪いし体力もないし。当時は頻繁に風邪を引いていましたし、1日外出するとなると夜にはぐったりして何もできないような状態だったんです」

筋トレで劇変した食生活の意識

「食べると太ると思っていた」と語る櫻井さん。しかし、ボディメイクをきっかけに自身の考えは間違っていたことに気づく。

「周囲から ”炭水化物が足りないから脂肪も落ちないのでは?” と声をかけられたので、思い切ってお米を食べ始めたんです。すると、みるみるうちに身体が引き締まっていって。今ではPFCバランスを意識しながら、1日3食お米を食べるようにしています。『いかにカロリーを取らないか』という考えから『いかに食べるか』を考えるようになったのは大きな変化ですね。食生活が改善されてからは筋肉だけでなく、体力もついて。『お出かけや電車に乗ること=疲れること』ではなくなったので、プライベートも活動的になりました」

これまで以上にハリのある生活を過ごせるようになった櫻井さん。しかし2024年の年末、病魔に襲われた。

「昨年のサマスタ決勝大会の直後、腰に痛みを感じたので病院に行くと『血液系のがん』と宣告されました。2025年は決勝大会でのメダル獲得を目指していただけにショックではありましたね。この夏に骨髄移植を行い、抗がん剤治療をしたので実は今回の大会もウィッグで出場したんです。一時は大会出場も諦めていましたが、医師が驚くほど身体が元気だったので、諦めずに挑戦する決意をしました」

思うようにトレーニングができない中でも、可能な限りの運動は続けていた。

「適度な運動は医師から勧められていたので、無理のない範囲でトレーニングは続けていました。筋肉を落とさないように必死でしたね(笑)。入院の前日までジムには行きましたし、入院中は病院内にあるトレーニング施設でバイクを漕いでいましたよ。退院後も約2週間でジムトレーニングを再開させました」

「辛い治療の中でも元気な身体をキープできたのは、改善された食生活と日々の筋トレで体力がついていたから」と語る櫻井さん。運動習慣は病に打ち克つ武器になる。

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材:池田光咲 撮影:舟橋賢

執筆者:池田光咲
IRONMANを中心にトレーニング・スポーツ系メディアや雑誌で執筆・編集活動を展開中。ベンチプレス世界選手権3位の入賞経験をもつ現役アスリート。

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