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「フィギュアのような板チョコ腹筋!」筋トレ歴20年を超える41歳の公務員がコンテスト優勝「40代でもまだ強くなれる」

10月5日(日)に兵庫県・淡路島大浜海水浴場で開催された『POWER BUILDING CLASSIC(パワービルディングクラシック以下PBC) in AWAJI 2025』。フィットネス競技とパワーリフティング競技の合計順位で競われるこの大会でマスターズクラスを制したのは公務員として働く小野満正(おの・みつまさ/41)さんだ。

【写真】フィギュアのような板チョコ腹筋の小野満正さん

小野満正さん

小野さんはフィットネス競技では見事な逆三角形のフィジークを見せて1位、パワーリフティング競技では195kgのデッドリフトを成功させて総合1位に輝いた。

高校時代から20年以上続ける筋トレ

高校時代に憧れた人気漫画をきっかけに、自宅で腕立て伏せをするようになったという小野さん。40代に入った今も、トレーニングを続けてPBCでも確かな存在感を放った。

「『グラップラー刃牙』が大好きで、あの強靭な身体に憧れていました。だから高校のころから腕立て伏せや腹筋など、家でできる筋トレをずっと続けていました。社会人になってからも、当時の職場にトレーニング機器があったんです。仕事終わりに何となく触っているうちに、トレーニングするのが日常になっていました」

やがて本格的にボディメイクの世界に足を踏み入れるようになった。2017年、2018年には『ベストボディ・ジャパン』の主催大会、2018年以降は『JBBF』でメンズフィジーク、そして2024年、2025年には『PBC』と、多彩な大会に挑戦してきた。小野さんは2024年のPBCマスターズクラスでも優勝しており、2年連続出場でつかんだ栄冠だった。

「昨年よりもエントリー数もレベルも上がっていて、あのメンバーの中で優勝できたのは本当に光栄でした。オーバーオール(無差別級)ではパワー不足もあって歯が立ちませんでしたが、怪我もなくステージに立てたことが何より幸せでした。2年連続で出られたことにも感謝しています。年齢を言い訳にしない。そのために日々の積み重ねを丁寧にやるだけです」

泊まり勤務のある公務員という多忙な生活の中で、週に1~2回のトレーニングが精一杯の日もある。

「曜日で部位を分ける方法だと、忙しい週は胸や脚が1週間以上空いてしまうこともあります。だから押す種目と引く種目や上半身と下半身で分けて、どんなに少ない頻度でも全身を刺激できるようにしています。脚の日は前ももとハムストリング(裏もも)で分けて、疲労を分散させています。忙しいときは、トレーニングはやりません。30代までは多少無理もできましたが、40代になってからは疲労が抜けにくくなって、無理をすると次のトレーニングに響くんです。だからやらない勇気を持つことが、結果的に効率のいい身体づくりにつながっています」

ただ休むのではなく、次に向けた準備としての休息。これもまた、経験から得た知恵だ。食事においても、無理のない継続がキーワードのようだ。

「とにかく消化の良い食材を選ぶようにしています。胃腸に負担をかけない食事の方が、全体的なコンディションも良いので。基本メニューは白米、鶏胸肉、鯖缶、卵、納豆、きのこ類ですね。きのこはミネラルと便通のために欠かせません。脂質は卵や鯖から取るようにして、オレイン酸やEPA・DHAなども自然に取れるようにしています。加工食品は極力避けて、未加工の固形食材からたんぱく質を摂取。野菜が不足しがちな分は、サプリで補っています。減量中も増量中も基本は同じで、白米の量を調整するだけです。卵、納豆、魚が好きなので、減量も苦じゃないんですよ」

初めての減量期に体験した、印象的なエピソードもある。

「大会直前の末期、白米がびっくりするほど甘く感じたんです。味覚が研ぎ澄まされている感覚。大会後に食べたお寿司(甘エビ)の味は、10年経った今でも鮮明に覚えています」

極限まで追い込んだからこそ分かる感覚の変化。それもまた、ボディコンテストの魅力の一つかもしれない。

フィギュアのような身体を目指して

仕上がりの身体を見た人からは、よく「フィギュアみたい」と言われるという。

「腹筋が厚いので板チョコみたいとも言われます(笑)。褒め言葉として受け取って、さらに掘りの深いフィギュアを目指しています。大会に出ることで、自分を客観的に見られるようになりました。また、経験者やトレーナーに見てもらうのも大切。いろんな知識を吸収して、自分の身体で試行錯誤することが成長につながります。減量はつらいですが、食べながら絞ることが理想です。コンテストは同じ志を持つ仲間に出会える最高の場。迷っている人は、ぜひ一歩踏み出してほしいですね」

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取材・文:柳瀬康宏 写真提供:POWER BUILDING CLASSIC運営

執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに挑戦中。

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